「偽装非公認」最終盤で焦点=石破首相、報道に責任転嫁―野党批判、強まる逆風【24衆院選】

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2024年10月25日 08:01  時事通信社

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時事通信社

街頭演説する石破茂首相=24日、広島市
 衆院選は27日の投開票を控え、自民党の派閥裏金事件で非公認となった候補側へ、党本部が活動費を支給したことに、野党の批判が集中しつつある。「偽装非公認」との指摘も出る中、石破茂首相(自民総裁)はあくまで党支部に充てたものだと主張。ただ、報道に責任を転嫁するなど説明には苦しさがにじむ。党内からも執行部の対応を疑問視する声が続出。逆風は一段と強まっている。

 「候補者にカネなど出してはいない。政党支部に出している」。24日、広島市の街頭演説で初めてこの問題に触れた首相は、非公認候補に対する選挙資金の提供ではないとの認識を強調。「報道に負けるわけにはいかない」とあたかも事実がゆがめられたかのように振る舞った。

 自民は同日、一連の経緯を説明した文書を公表した。それによると(1)10日付で公認候補の党支部に公認料500万円、活動費1500万円の計2000万円(2)衆院選の公示直後の16日付で非公認候補の党支部に同額の活動費2000万円―をそれぞれ支給。「党勢拡大」に充てるもので、非公認候補の選挙運動に「使うことはできない」と明記した。

 非公認候補への対応を巡り、首相は「甘いとかいいかげんとは一切考えていない」と繰り返してきた。しかし、実質的に公認料を含む活動費を支出したことが明らかになり、従来の主張は破綻気味だ。

 党支部による「党勢拡大」が、非公認候補への支援を含む可能性は否定できない。「説明になっていない」「こんな内容なら出さないほうがましだった」。文書を読んだ党関係者は口々に不満を漏らした。

 立憲民主党の野田佳彦代表は24日、横浜市で記者団に「どう見ても『裏公認料』だ」と重ねて批判。報道に矛先を向けた首相の対応も「本当に駄目だ。反省がない」と断じた。

 日本維新の会の馬場伸幸代表は記者会見で「首相に対する期待は急速にしぼんでいる」とこき下ろした。共産党の田村智子委員長は松山市の街頭演説で「党勢拡大は選挙活動そのものだ」と指摘。国民民主党の玉木雄一郎代表も広島市で「子どもの言い訳が通じると思うのか」と切り捨てた。

 自民内でも「全国に波及し、急速に支持を落としている」(中堅)と衆院選への危機感が強まっている。「首相指名選挙もどうなるか分からない」。党関係者は与党過半数割れの可能性を念頭に、選挙後も緊迫した状況が続くとの見方を示した。 

記者団の取材に応じる立憲民主党の野田佳彦代表=24日午後、横浜市
記者団の取材に応じる立憲民主党の野田佳彦代表=24日午後、横浜市


衆院選候補者の演説を聞く有権者ら=24日、広島市
衆院選候補者の演説を聞く有権者ら=24日、広島市

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  • 赤旗に情報を流した民主主義の敵が自民党執行部か本部にいますから工作員狩りが必要です。加えてマスコミは赤旗と一体化した主張ですから公安監視対象にしましょう
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