上方落語出身で、東京に活動の拠点を移していた落語家、桂雀々さんが亡くなったことが、22日までに分かった。64歳だった。
雀々さんの師匠は、上方落語のレジェンド桂枝雀さん(1999年死去)。その枝雀さんは卓越した話術に加え、表情や全身を駆使したアクションで、他を圧倒する爆笑落語を確立した。
雀々さんは、師匠のイメージを色濃く受け継いだ。声を張り上げ、汗をだらだら流しながらの熱演。幼少期には苦労の連続だったが、そんなことを微塵(みじん)も感じさせない、高座は爆笑の連続だった。なかでも頭の長〜い男が登場する落語「手水回し」は、自身の長い顔をフルに生かした名人芸でもあった。
誰からも愛されるキャラクターで、明石家さんま、桑田佳祐、故やしきたかじんさん、故上岡龍太郎さん、故横山ノックさんら多彩な面々と親交を重ねた。
上岡さんと組んだラジオ大阪「歌って笑ってドンドコドン」は約20年間にわたってリスナーから熱狂的に支持された。
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西川のりお、大平サブローら落語家以外とも親しい関係を続けた。12月には、大阪でサブローとの共演舞台に出演する予定だった。
互いの妻が姉妹という“義兄弟”の桂ざこばさんが亡くなって、わずか5カ月。体の芯まで上方らしい噺家(はなしか)が、またひとり旅立ったのは残念でしかない。【三宅敏】
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