カジノを含む統合型リゾート(IR)を巡る汚職事件で、収賄罪と組織犯罪処罰法違反(証人等買収)に問われた元自民党衆院議員、秋元司被告(53)の上告審で、最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)は17日付の決定で、無罪を主張していた秋元元議員の上告を棄却した。懲役4年、追徴金約758万円とした1、2審の実刑判決が確定する。
ともに収賄罪に問われた元政策秘書の豊嶋晃弘被告(46)についても、小法廷は上告を棄却する決定を出した。懲役2年、執行猶予4年とした1、2審判決が確定する。
小法廷は「上告理由に当たらない」とだけ述べた。次長検事として事件の捜査に関与した堺徹判事は審理から外れ、残る裁判官4人全員一致の判断。秋元元議員は保釈中で、検察当局が今後、刑務所に収容する手続きを進めることになる。
秋元元議員は、2017年9月の衆院解散当日の現金300万円受領をはじめとする4件の収賄罪と、2件の証人買収について、一貫して全面無罪を訴えた。
これに対し、1審・東京地裁判決(21年9月)、2審・東京高裁判決(24年3月)はいずれも、秋元元議員が豊嶋被告と共謀し、IR担当の副内閣相と副国土交通相だった17年9月〜18年2月、IR参入を目指していた中国企業側から計約758万円相当の賄賂を受け取ったと認定した。
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さらに、秋元元議員が20年6〜7月、中国企業の元顧問2人=贈賄罪で有罪確定=に対し、自身の公判で虚偽証言をしてもらう見返りとして現金計3500万円の提供を持ち掛けたとし、全ての起訴内容を有罪とした。
秋元元議員は17年10月の衆院選に東京15区から出馬して3選を果たした後の19年12月、東京地検特捜部に逮捕された。現職国会議員の逮捕は約10年ぶりだった。【巽賢司】
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