衆院予算委員会は5日、2025年度予算案の内容を府省庁ごとに順に精査する「省庁別審査」をスタートさせた。立憲民主党は複数年にわたって支出できる「基金」への積み立てが過剰だと批判。予算案の問題点をあぶり出し、修正につなげたい考えだ。
省庁別審査は野党が分科会改革の一環として提案した初の試み。内閣官房と16府省庁を6グループに分け、7日まで1日2グループずつ審査する。5日は内閣官房、内閣府、復興庁、総務省、財務省、防衛省が対象で、加藤勝信財務相と担当閣僚が出席した。
立民の城井崇氏は、各種基金の実態を調査した結果、使用実績の乏しい基金の総額が約7兆8000億円に上ったと指摘。これらを削減し「物価高対策などに充てるべきだ」と主張した。加藤氏は「基金は当該年度にどれだけ支出するかよく分からない前提だ」と理解を求めた。
立民の馬淵澄夫氏は政府が実施する低所得世帯向けの給付事業に関し、事務作業が煩雑で膨大な財政負担が発生していると指摘。業務効率化を進めて事務費を減らし、高額な医療費の患者負担を抑える「高額療養費制度」の維持に回すよう訴えた。
衆院予算委員会の省庁別審査で、2025年度予算案の概要を説明する中谷元防衛相(左手前)=5日午前、国会内
衆院予算委員会の省庁別審査で、2025年度予算案の概要を説明する赤沢亮正経済再生担当相(左)=5日午前、国会内