横浜の強盗殺人 凶器とみられる特殊な工具を押収 2容疑者を再逮捕

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2025年02月10日 17:40  毎日新聞

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毎日新聞

男性の遺体が見つかった住宅を調べる捜査員ら=横浜市青葉区で2024年10月16日、本社ヘリから玉城達郎撮影

 横浜市青葉区の住宅で2024年10月、住人の男性(当時75歳)が暴行を加えられて死亡した事件で、神奈川県警は10日、実行役とみられる男性2人を強盗殺人と住居侵入容疑で再逮捕したと発表した。県警が暴行に使用されたとみられる金属製の特殊な工具を押収したことも捜査関係者への取材で判明。県警は暴行の経緯や実行役の役割分担を調べる。


 再逮捕されたのは、愛知県春日井市の通信回線営業員、藤井柊(しゅう)(27)と住所不定、無職の久保田陸斗(22)の両被告=強盗致傷罪などで起訴。再逮捕は6日。


 再逮捕容疑は24年10月15日ごろ、宝田真月(まづき)被告(23)=強盗致死罪などで起訴=らと共謀して、後藤寛治さん方に侵入。後藤さんに暴行を加えて殺害し、現金約17万円や貴金属など99点(時価50万5500円相当)を奪ったとしている。


 神奈川県警によると、藤井容疑者は黙秘しており、久保田容疑者は「暴行は加えていない」などと容疑を一部否認しているという。


 事件は、首都圏を中心に相次いだ「闇バイト」が絡む強盗などのうち、唯一被害者が死亡していた。実行役は闇バイトに応募した3人とみられ、現金の回収役を含めて逮捕されたのは計5人となった。


 捜査関係者によると、事件後に神奈川県警が宝田被告のワンボックスカーを捜索したところ、車内から金属製の特殊な工具を発見し、押収した。神奈川県警は事件に使われた凶器とみている。後藤さんの死因は全身打撲による出血死だった。


 宝田被告と藤井、久保田両容疑者は、事件前の14日に横浜市青葉区の駅とコンビニで合流。宝田被告のワンボックスカーで後藤さん宅に向かったとみられる。


 また、後藤さんの手足を縛っていた粘着テープから藤井容疑者の指紋が検出されていた。久保田容疑者も千葉県警の調べに横浜市の事件への関与をほのめかしていたという。


 宝田被告は藤井、久保田両容疑者とは「知り合いではない」と供述。暴行については「見ていたがやっていない」と話しているという。一方で、指示役から秘匿性の高い通信アプリで現場に行くよう指定され、事件当時も指示役と通話して指示を受けていたという。神奈川県警は指示役の特定に向けて携帯電話の解析などをしている。


 事件では、実行役が奪った現金の回収役として、東京都足立区の無職、木本未穂(30)と埼玉県川口市の無職、保坂海斗(25)の両被告が組織犯罪処罰法違反などで起訴されている。【宮本麻由、横見知佳、柿崎誠】



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