粗品『ytv漫才新人賞』キレキレ審査 それぞれの漫才師に的確な批評【採点&コメント】

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2025年03月02日 17:07  ORICON NEWS

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粗品 (C)ORICON NewS inc.
 お笑いコンビ・霜降り明星の粗品が、2日放送の『マウスコンピューターpresents 第14回ytv漫才新人賞決定戦』(読売テレビ 後3:00〜5:30 ※関西ローカル生放送・TVer生配信)に出演。ファーストラウンドでは、全組に70点台から80点台をつける辛口審査で話題をさらった。

【動画】お笑い賞レース審査員への思いを語った霜降り明星・粗品

 粗品は2017年度の『第7回ytv漫才新人賞』の王者で、大会歴代王者が決定戦の審査員を務めるのは初めて。そのほかの審査員は、リンゴ(ハイヒール)、お〜い!久馬(ザ・プラン9)、ハリウッドザコシショウ、岩尾望(フットボールアワー)。

■粗品の採点とコメント

【ぐろう】
採点:85点
コメント:「尿路結石」って最初に言った時に、高松くんが顔を動かすだけでツッコんだんです。喋らず。だから、高松くんはまず上手だと思います。その上でなんですけど、このボケがしゃべり切るだけでウケるのはほんまに素晴らしいことなんですけど、性質上やっぱりツッコミがその分、普通のことばっかり言ってしまってたんで。ツッコミで笑い取れとまでは言わないんですけど、もうちょっと、なんかこう、センスを感じるフレーズとか、言い草、もしくはボケのエンジンをさらにブーストさせるような展開作りをしてくれたら、もっと点が伸びたかなと。

【タチマチ】
採点:81点
コメント:羅列タイプのネタで羅列をやるなら、手数を増やすか、何か、かぶせを入れる等の作品感を出すか、フォーマット自体を見たことないものにするかとか、どれかにした方がいいと思うんですけど、羅列タイプでそれ全部やってない。この形式はやって手数少ない。やっぱり他の漫才師より突出してウケないと評価されづらい宿命が絶対あるんですよ。

ていうと、ちょっとラウンド3の予選会でやってたネタやからお客さんも見たことあって、若干割り引かれたのが損してたんですけど、研修のところ「じゃあ誰が教えるんですか」。これ間違いなくパンチランやと思うんですね。でももっとウケておかしくないで。それはもっと受けるとして、採点するけど、その後の。「じゃあキッチン何人いるんですか」。これ。現役の漫才師としてめちゃくちゃ気持ちわかります。オレが新ネタ仕上げろってなってもそうやって作るし、めっちゃ気持ちわかるけど、その久馬さんに「それが似てたかな」って言われへんためにも、そこもっとウケたかったなという感じですね。

【マーメイド】
採点:78点
コメント:4分35秒やってたのが気になったっすね。ぐろう、タチマチが4分以内やったんで、その分じゃあたちまちワンエピソード入れられたし。その割に、ちょっと心に残る一瞬がなかったっすね。1本押しのネタで、3回やったと思うんですけど、ちょっと2025年のお笑いは、もう1本押しても4分ネタで4、5回展開せなアカンと思うんです。もっといい勾配のつけ方して、よりお客さんを裏切らないと。その保険として入れてた本線と別の小技もそこまでウケてなかったから、もっとウケてるいい状態のネタを見たかったです。

【翠星チークダンス】
採点:85点
コメント:漫才のやり取りを男女の関係に落とし込むってのは、男女コンビの中では珍しいと思うんですけど、正直漫才師全体の中ではかなり見たことあるやり方で。大体なんかボケがメンヘラでツッコミが「何言ってんねん」。これもう古(いにしえ)からあるやり方なんで、言ってしまえばちょっとシャバいんです。正直。ほんとは評価下げたかったんですけど、まあ男が女の相方のことを明確に好きで、木佐のキャラクターメンヘラってのは、ま、キリ個性かなとも思って、その上でウケてたんでそこまで評価下げんかったんですけど。

でもやっぱ本音はこのちろると木佐じゃないとできへんやり取りとか発明がそこにないとなって思ってましたし。ちろるのツッコミ、キレれたり、叩いたりするのはほんまに素晴らしいと思うんですよ。で、木佐もホンマはたとえツッコミとかめっちゃおもろいやつなんですよ。センスもナイスなんですけど、今そういうキャラになっている。ちょっと結果が思うように出なさすぎて、アホの客に迎合しすぎてるかな(笑)。ラストイヤーやからって、いなかのくるま(旧コンビ名)の集大成じゃないなっていう気がするんです。

【マーティー】
採点:79点
コメント:いや、センスあるなと思いました。でも、やっぱもっと不気味じゃないともったいないかなとも思ったし。とにかくネタの題材はもうめっちゃ渋くて、最高のテーマやったんですけど、ホンマにウケだけっすね。もっと爆笑連発させてたら、間違いなく高得点やったし。

こういう相方を正論で詰めていく漫才っていうのは、このきょうやった4分は、ほんまは2分半までに終わらして、後半1分半、もっとエグく2人で掛け合わなあかんと思うんです。
なんかそこのちょっともったいなさがゆっくりしてたなってのと、リンゴさんは「ほんまのことばっか言わんでも…」っておっしゃってましたけど、俺はでも、ほんまのこと言い続けてるだけで、お客さんが笑うのこそ話芸やと思ってるんで、そこは僕は評価しました。(リンゴが「でも、疲れてけーへん?」)いや、お笑い好きは疲れんっすね!

【フースーヤ】
採点:86点
コメント:きょうで言ったら1番ウケてたし、いいと思うんですけど、やっぱりこの本線のショータイムのツッコミで、やっぱりもっとウケないと。ギャグばっかりに速く行きたいからか知らんけど、なんか「取り憑かれたー」ってちょっとウケを諦めてるぐらいのテンションで突っ込まれるのがちょっと気になってて。絶対に漫才の軸のボケツッコミで1発スパンって笑かしてから、ギャグに入ればもっと漫才って認められるし。

あとそれで言ったら「ハイハイwifiハイサイ歯医者」みたいなとこの息継ぎも気になりましたね。そこ絶対一息で言った方がウケるのにとか。実は「なんで総理大臣御用達のところががそんな潰れんねん」みたいなおもろいことも言ってんのに、ぼそっと言う程度にとどめてんのがめちゃくちゃもったいない。4分半やっていたんですけど、4分以内やったら、もっと高くつけたかった。

【オーパスツー】
採点:77点
コメント:漫才上手です、うまかったです。でも25秒ぐらいオーバーしてたのと、あとちょっとウケてなさすぎたかな。本当になんか細かい節々にはセンスを感じて、めっちゃおもろかったんですよ。特に導入の2人の雰囲気とかめちゃくちゃ良くて、これは目が離せへんなって思ってたんですけど、正直肝心の漫才全体はちょっとそこまで面白くなかったです。

漫才が終盤に迫るにつれてのこのボケの声量のグラデーションとかも最高やったんです。めっちゃ技術は高いんですけど、なんかツッコミ…。そうですね、やっぱりブラックマヨネーズ先生が未だになんで(M-1での)ボーリングのネタが伝説って言われてるかっていうと、そこのグラデーションがもうほんまに神がかってるから。あの黄金比をしゃべくりやるんやったらやらなアカンし。ツッコミが自分にツッコむのも、もうええかな。もう流行りすぎてるし。でいうと、序盤のやつは個人的にはラウンド2の間の方が好きでした。

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