衆院予算委員会で答弁する石破茂首相(中央)=4日午前、国会内 与党が提出した2025年度予算案と税制改正関連法案の両修正案は、4日午後の衆院本会議で可決され、参院に送付される。少数与党の自民、公明両党と、高校無償化などで修正合意した日本維新の会が賛成する。参院では5日から審議が始まり、与党は年度内成立に全力を挙げる。
予算修正案の一般会計総額は、政府の当初予算案から3437億円減の115兆1978億円。当初予算案の「国会修正」は1996年以来29年ぶりで、減額修正は55年以来70年ぶりとなる。
衆院予算委員会は4日午前、与党の予算修正案を自公と維新の賛成多数で可決した。立憲民主党の予算修正案や、共産党とれいわ新選組がそれぞれ提出した組み替え動議はいずれも否決された。この後、税制関連法案の修正案は衆院財務金融委員会で採決。ともに本会議に緊急上程される。
石破茂首相は予算委の締めくくり質疑に出席。野党などの指摘を踏まえて高額療養費制度見直し案を修正したことに触れ、「このような委員会の在り方はもっとあってしかるべきだ。指摘を謙虚に受け止め、改めるべき点は多くの理解を得て改めたい」と述べた。
与党は主要野党と修正協議を重ねた。維新と私立高校の就学支援金を26年度から45万7000円に引き上げることなどで合意。所得税の課税最低限「年収103万円の壁」見直しを巡る国民民主党との協議は折り合えなかったが、年収制限を設けて160万円に引き上げる税制関連法案の修正案を提出した。
自民、立民両党の参院国対委員長は4日に会談し、参院予算委で5、6両日に首相と全閣僚が出席する基本的質疑を行うことで合意。首相が出席する一般質疑を7日に行うことでも一致した。

2025年度予算案の与党修正案を可決した衆院予算委員会=4日午前、国会内

首相官邸に入る石破茂首相=4日、東京・永田町