【万博リアルレポ】「世界の国からこんにちは」→「新時代」Adoが象徴したもの 大混乱の末の“未来”

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2025年04月14日 17:01  ORICON NEWS

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大阪・関西万博 開幕初日=Adoオープニングスペシャルライブ Photo by Viola Kam (V'z Twinkle Photography)
 大阪・関西万博が13日、大阪の夢洲で開幕した。大混乱だった1日を現地取材し、見えてきたものをまとめる。

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 万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。約160の国や地域、国際機関が参加し、10月13日まで183日間繰り広げられる。その前段、万博会場内で取材できるAD証(取材パス)は、申請段階から情報が錯綜し、発行が間に合わなかった社が出た。デジタルの活用をうたい、会場内は現金が使えず、原則ペーパーレス、スマートフォン必須にかかわらず、協会側からのインターネットを通じた情報発信は、満足いくものではない。

 事前に情報収集を重ねたが、いまだ不明なことが多数。公式サイトには情報が網羅されているだろうと、来場者に発信したい事柄を調べる。たとえば、会期中のイベント一覧や飲食一覧を探すと、確かに情報にはたどり着くが、詳細は「PDF」にまとめられていた。

 大阪に記者が常駐する弊社ですらそうなのだから、海外メディア対応はどうなっているのか。あるいは、SNSを中心に活動するメディア、フリーランサーに対してはどうなのか。結果、ネガティブなニュースばかりがフォーカスされ、一つになるはずが、賛否の分断を生んでいるのではないか。

 開幕前は、工事の遅れや費用の増大が、そして開幕当日は、大行列や大荒れの天気など、トラブル続出が大きく報じられた。実際、ゲート前や夢洲駅は大混雑、風雨が強まって気温も下がり、記者自身、大屋根リング下への“避難”しながら、大きなストレスを感じた。未来を担う子どもたちはどう感じたか。世界中から1日に10万人以上の人が集まるなか、場内アナウンス、公式サイト・アプリには限界があり、アナログの必要性も実感した。

 そんな1日の最後、野外アリーナでのオープニングスペシャルライブは、歌い手のAdoが行った。開催も危ぶまれるほどの天候が、夜には落ち着いた。最初に歌ったのは「新時代」。さらに「うっせぇわ」などを経て、「唱」「踊」と熱狂。Adoのファンは準備万端、ポンチョ持参で、イベント慣れを実感した。会場内で“音漏れ”も聴こえたが、危険な状態にはならなかった。

 この日、万博はベートーヴェン「第九」の大合唱から始まり、多彩な1万人が大屋根リングで一つの歌声を響かせる姿は感動的だった。そしてAdoは、ライブ終盤のMCで「会場にいない、会場の他にいる皆さんも、全力で歌って、踊って、楽しんで」と呼びかけた。

 1970年大阪万博のテーマソングは三波春夫さんの「世界の国からこんにちは」だった。きょう14日は三波さんの命日でもある。2025年のパビリオンには、最新のデジタル技術が尽くされており、一方で、海外に行くのが当たり前になったいまでも滅多に経験できない世界中の文化など、55年前とは違う姿がある。

 Adoの姿は、まさに「新時代」を象徴。我々伝える側の情報発信やメディアのあり方、未来も問われる万博となりそうだ。

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