宇宙航空研究開発機構(JAXA)と東京大が開いた小惑星衝突から地球を守る「プラネタリー・ディフェンス」(地球防衛)の講演会に展示されたポスターとウルトラマン=6日、東京都文京区の東大 探査機「はやぶさ2」の最終目的地となる小惑星「1998 KY26」をはじめ、地球に衝突する危険性があるとされる小惑星は数多くある。今年2月には「2024 YR4」が2032年に地球に衝突する確率が一時3%を超え、注目を集めた。こうした小惑星は非常に小さいため地上からの詳細な観測は難しく、はやぶさ2による直接探査は、小惑星衝突による災害を防ぐ「プラネタリー・ディフェンス」(地球防衛)の観点から重要な知見となる。
米航空宇宙局(NASA)は22年、小惑星に探査機を衝突させ、軌道を変える実験に成功。欧州宇宙機関(ESA)の探査機が同じ小惑星に向かっており、衝突の詳しい影響を調査する。ESAはこのほか、29年4月に地球から3万2000キロの距離を通過する小惑星「アポフィス」の探査を計画。宇宙航空研究開発機構(JAXA)も観測機器提供などを検討している。
JAXAは昨年4月、プラネタリーディフェンスチームを発足。観測による早期発見や軌道の予測、NASAやESAとの協力や国連など国際機関との対応などを進めている。