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タカラジェンヌを育成する宝塚音楽学校113期生の入学式が18日、兵庫県宝塚市の同校で行われ、競争率11・75倍から合格した40人が夢へ第1歩を踏み出した。
式典では中西達也校長が「初心を忘れることなく、プロの舞台人になるという覚悟を持って、それぞれが持つ無限の能力を伸ばし、、成長していけるよう充実した学校生活を送っていただきたい」と式辞。
2年の学びをへて再来年春、卒業生が進む宝塚歌劇団理事長も兼任する村上浩爾理事長は「宝塚歌劇団は現在、改善、改革の努力を進めている真っ最中です。時代に合わせて変えるべきところがあれば、きちんと考えて変えていきたい」。劇団を取り巻く環境の変化に対応していく姿勢を示した上で、「1人で考えすぎず、この2年間しっかり励んでほしい」と祝辞を述べた。
劇団代表として、専科の万里柚美も祝辞を述べ、「周りの方々への感謝の気持ちを忘れず、自らが選んだ道を力強く歩んでください。2年後、立派に成長した皆さんの姿を、ここにいるすべての人、そして宝塚を愛し応援してくださるお客さまが楽しみに待っていることを決して忘れないでください」と門出を祝った。
式典では本科生総代からの歓迎の辞を受け、新入生総代の佐藤桜耶(さとう・さくや)さん(栃木県)が答辞。校歌などを斉唱した。セレモニーでは、本科生が新入の予科生へ校章バッジも着け、「頑張ってね」などとエールを送った。
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元プロ野球選手で解説者の林昌範氏(41)と元テレビ東京でフリーの亀井京子アナウンサー(42)夫妻も姿を見せ、長女心優(みゆ=16)さんの晴れの姿を見守った。
式典後、総代の佐藤さん、青木さらさん(千葉県)松崎瑠璃さん(東京都港区)長谷川佳凜さん(兵庫県宝塚市)の4人が取材対応した。
娘役志望の佐藤さんは「合格発表の日から入学式を心待ちにしていたので、とてもうれしい。これからの音楽学校生活を頑張っていきたい」。目標とするのは月組副組長の白雪さち花で、「どんなお役もできて、ショーの時には1番前でずっと踊っていられるようなカッコイイ娘役さんになりたいです」と目を輝かせた。
男役志望の青木さんは「誰よりもラテンのショーが似合う男役になりたい」といい、月組トップ鳳月杏のような「ものすごいカッコよくて、優しい舞台人になりたい」。宝塚での生活については「どこに行っても『宝塚』『宝塚』と書いている。私が地元にいたときは、『宝くじ』ののぼりを見ては、『宝塚? あ、宝くじか』となることがあったのですが、ここにいると『宝塚』と書いてあるので幸せです」とちゃめっ気たっぷりに笑った。
その宝塚市出身の長谷川さんは「宝塚市では街を歩いていると、タカラジェンヌさんをお見かけする。すれ違うたびに私も『よし、頑張ろう』と思っています」と語った。
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松崎さんは学校での授業について「タップダンスの授業が楽しみです。経験はないのですが、華やかなステップが踏めるよう頑張ります」と心待ちにしていた。
40人は3月30日、受験者数470人から競争率11・75倍を突破し、合格。近年続く少子化の影響に加えて、23年秋には卒業生が進む宝塚歌劇団の宙組団員が急死するなどし、競争率は今世紀最少だったが、それでも2桁を超える高い競争率を勝ち抜いて、夢へ続く門をくぐった。予科、本科と2年にわたり、声楽や日舞、洋舞などのダンス、演劇など技術に加えて、タカラジェンヌとしての心がけ、素養などを学び、2年後、27年春の入団を目指す。
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