2025年F1第11戦オーストリアGP 角田裕毅(レッドブル) 予選後の【角田裕毅F1第11戦展望】のレポートで「フロントウイングのフラップを立てていれば、結果は変わっていたことだろう」と、F1第11戦オーストリアGPの予選Q1敗退の理由を推測した。
しかし、それは日曜日のレースでの角田裕毅(レッドブル)のパフォーマンスを見る限り、間違っていたと言わざるを得ない。というのも、日曜日の決勝レースでも、角田はアンダーステアに悩まされていたからだ。
「スタート直後の数周は素晴らしい感覚だった」と言う角田だったが、その後、徐々にペースが落ちていった。
もし、フロントウイングのフラップの調整が原因であれば、調整は可能だ。パーツを変えたり、車高やサスペンションの調整は予選開始と同時に禁止されているが、フラップの調整は予選中も、レーススタートまでの間でも変更できる。さらにピットストップ時にもフラップの角度を変えることは可能なので、問題はそれではないということになる。
では、何が原因なのか。それは角田本人もわからないと言う。
「正直なところ、何が間違っているのか、今はまだわかりませんが、僕たちが本来あるべきペースからは明らかに大きく遅れていることは確かです。その原因をこれから見つけたいし、見つけなければならないと思います」
原因がわからないとして、症状はどんな感じなのか。マシンに何かトラブルでも起きていたのか。
「クルマに異常があったという感じではなく、タイヤがグリップしなかっただけです。ミディアムを履いた序盤から1周ごと、1コーナーごとにタイヤが溶けていく感じで、どんどんグリップがなくなっていきました」
角田はそう振り返った。こうした状況のなかで、フランコ・コラピント(アルピーヌ)と接触してしまう。
「明らかに僕のミスです。僕が置かれた状況を考えれば、あまりいい動きではなかったと思います。こうした結末になり、チームに謝りたいです」
グリップ不足に苦しんでいたのに、ブレーキングでコラピントのインに飛び込んだ角田が、コーナーの出口で膨らむことは想像できたのだから、あそこでオーバーテイクを仕掛けなくてもよかった。
クリスチャン・ホーナー代表は角田のレースをこう評価した。
「今週末のユウキはかなり厳しい結果となった。土曜日のQ1の最初のランは問題なかったが、2回目のランで1コーナーでミスを犯した。レースではトラフィックのなかでなかなか抜くことができず、ペナルティを科せられ、状況が悪化した。当然、彼をサポートする方法を探るが、2台のクルマの性能差がかなり大きいので、なぜそうなったのか原因を突き止めなければならない。いずれにしても、我々はシルバーストンでユウキが自信を取り戻せるよう、ユウキをサポートする」
[オートスポーツweb 2025年06月30日]