「コメ」発言に石破政権困惑=参院選目前、不安払拭躍起―トランプ関税

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2025年07月02日 07:31  時事通信社

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時事通信社

記者会見する林芳正官房長官=1日午前、首相官邸
 トランプ米大統領が日本のコメ輸入が少ないと不満をあらわにし、石破政権に困惑が広がっている。コメ市場は自民党が守ってきた「聖域」。公示が3日に迫った参院選に影響しかねないとの懸念も出ており、政権は「農業は犠牲にしない」(林芳正官房長官)と不安払拭に躍起になっている。

 林氏は1日の記者会見で、トランプ氏の発言について「逐一コメントすることは差し控えたい」と直接の論評を回避。その上で「今後の(日米)協議でも農業を犠牲にするようなことは考えておらず、守るべきものは守る」と強調した。

 日米関税協議の交渉役を担う赤沢亮正経済再生担当相は会見で「交渉の中でどんな話をしているかは差し控えたい」と述べるにとどめた。

 トランプ氏の発言は6月30日に自身のSNSで飛び出した。「各国が米国にどれだけ甘やかされてきたか」と嘆いた後、「日本はわれわれのコメを買おうとしない。大規模なコメ不足が生じているにもかかわらずだ」と指摘した。

 トランプ氏は相互関税の上乗せ分の停止期限が切れる9日までの「成果」を目指しているとされ、日本政府内では「駆け引きの一環」(政府関係者)との見方が出ている。ただ、「日本はコメに700%の関税を課している」と不正確な説明を繰り返した春ごろと比べれば、コメ不足など最新状況を踏まえており、外務省幹部は「誰かが吹き込んでいるのではないか」と警戒を強める。

 自民は長年、コメ市場を守り続けてきた。1980年代に始まったウルグアイ・ラウンド(多角的貿易交渉)ではミニマムアクセス(最低輸入量)を受け入れて関税化を回避。第1次トランプ政権時代の日米交渉でも市場開放を食い止めた。食料安全保障の観点に加え、同党が農業票を主要な支持基盤としてきたことが背景にある。

 石破政権は1日、コメの安定供給実現に向けた関係閣僚会議を首相官邸で開催。石破茂首相は2025年産から増産を進める方針を示す一方、トランプ氏の発言には触れなかった。政府高官の一人は「トランプ氏の関心が中東から関税に戻ってきてしまった」と今後の交渉に身構えた。 

首相官邸に入る石破茂首相=1日午前、東京・永田町
首相官邸に入る石破茂首相=1日午前、東京・永田町

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  • いかにもトランプ大統領がムチャクチャなのと、自民党が無能に書かれてるが、時事の記事だからなぁ(笑)
    • イイネ!13
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