


元義母の口から「ジン」という名前が出たとき、私の心臓は一瞬ドキッと跳ね上がりました。いきなりのことに私が返事をできずにいると、元義母は「また連絡するから」と言って電話を切りました。私はスマホを見つめながら、ジンとの日々を思い出します。


私の頭のなかは混乱していました。ジンを……ウチで引き取る……? 考えがまとまらないまま、私はユメに元義母から聞いた話を伝えました。するとユメからは強く反対されます。「ママをさんざん傷つけておいて、今さら?」

当時は元義母も、元夫と一緒になってジンに私の悪口を吹き込んでいました。私とジンの信頼関係までも、元夫側は奪ってしまったのです。私がどんな思いでジンを手放したのか、きっと元夫や元義母はまったく分かっていないのでしょう。
「今さら調子が良すぎる」というユメの意見も、もっともです。当時8才だったジンは、自分がどんなに人を傷つけることを言ったかは理解できていたはず。言っていいことと悪いことの判断もついていて、そのうえで私にあんな言葉を投げかけたのです。
でももしかしたら親の離婚によって不安定になっていたのかもしれないし、ジン自身も深く傷ついていたからこそ出た言葉だったのかもしれません。元義母が言い放った「あなたはジンの母親なんだから」という言葉が、私の脳裏からずっと離れることはなかったのでした。
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原案・ママスタ 脚本・渡辺多絵 作画・りますけ 編集・井伊テレ子