あふれる動画、玉石混交=衆院選上回る視聴ペース―識者「ルールが必要」・SNS時代の選挙【25参院選】

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2025年07月17日 07:34  時事通信社

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時事通信社

参院選の街頭演説を聞く人たち=6日、横浜市
 近年、SNS上には政治関連の動画があふれるようになり、街頭演説の聴衆からは重要な情報収集の手段にしているとの声も聞かれる。ただ、投稿された動画の中には恣意(しい)的な編集で正確性を欠く内容のものもあり、識者は「情報発信のルールづくりが必要だ」と訴えている。

 「テレビよりもユーチューブの方が分かりやすい」。横浜市内で街頭演説を聴いていた30代主婦はそう語った。同市の30代男性会社員も情報源はユーチューブが中心だというが、「バイアスがかかっている動画も多く気を付けている」と話した。

 選挙に関するポータルサイト「選挙ドットコム」によると、昨年10月の衆院選期間中にユーチューブに投稿された政治関連動画の総再生数は計約2億7490万回。政党や候補者が直接発信したものは約4割で、残りはメディアや「切り抜き職人」ら第三者が投稿したものだった。

 今回の参院選では、昨年の衆院選を上回るペースで関連動画の再生数が増加しているという。政党側も「切り抜きOK」などとうたう公式アカウントは少なくない。

 選挙ドットコム担当者の伊藤由佳莉さんは「切り抜き動画により情報量が増え、政治的な関心が喚起される側面はある」と話す。ただ、「正確性を欠く内容の動画もあり、玉石混交の状態。有権者は表示される情報をうのみにするのではなく、自分から能動的に情報を取得することが大切だ」と呼び掛ける。

 選挙制度に詳しい一橋大大学院の只野雅人教授(憲法学)は「公費で行う選挙を収益を上げる場にしていいのかという批判は当然ある」と語る。

 動画の中には、再生数に伴う広告収入を狙ったものも少なくない。只野教授は、内容にかかわらず注目を集めることで利益を得る「アテンション・エコノミー」の考え方が背景にあると指摘。「公正な選挙のために、プラットフォーム事業者との協力の中で情報発信のルールづくりが必要だ」と述べた。 

このニュースに関するつぶやき

  • SNSもそうだが、そもそも候補者や応援演説で明らかにデマ飛ばしたら即刻逮捕か供託金没収とかできんかな。TTと元ヤンが平気でいる状態がマズイんだよ。
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