首相官邸に入る石破茂首相=29日午前、東京・永田町 参院選大敗後も続投に意欲を見せる石破茂首相に退陣を求める声が自民党内で強まる中、石破内閣の閣僚から29日、首相を支えたいとの声が上がった。ただ、一部の閣僚は推移を見守る姿勢を示すなど、温度差もみられた。
林芳正官房長官は閣議後の記者会見で「首相は続投の方針に変わりはなく、果たすべき責任を果たしていきたい旨述べている」とした上で、「引き続き官房長官として国政全般にわたって首相をしっかりと支えていきたい」と語った。
小泉進次郎農林水産相は米価高騰を受けたコメの増産方針に触れ、「できるのは、長年、思いを持ってきた首相だ。閣僚として後押ししたい」と強調。中谷元防衛相は「防衛省・自衛隊の取り組みが停滞することは許されない。石破内閣を支えるのは当然だ」と退陣論をけん制した。
岩屋毅外相は28日の党両院議員懇談会で相次いだ退陣論に「ちょっと闊達(かったつ)過ぎる感じもした。現在の政治状況についての認識が十分ではないのではないかと感じた」と疑問を呈した。
一方、加藤勝信財務相は「選挙結果はしっかり受け止め、直すべきものはしっかり直していかなければいけない」と述べ、政策の見直しなど「広い意味での刷新」が必要だと指摘した。
平将明デジタル相は両院議員懇の議論に触れ、「いろいろな意見を承って執行部として対応を決めていく。それを見守りたい」と語った。阿部俊子文部科学相は首相の責任をどう考えるか問われ、「コメントするものではない」と回答を避けた。