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1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で一家4人が殺害された事件で、再審無罪が確定した袴田巌さん(89)が9日、国と県を相手取り約6億円の損害賠償を求める訴訟を静岡地裁に起こした。
提訴にあわせて9日、巌さんの姉の秀子さん(92)が支援者を通じてビデオメッセージを発表した。訴訟については「再審で勝った人、これから勝たなければいけない人もいる。後に続く人たちのためにも、道筋をつけておかないといけない」と語り、弁護団を激励した。
巌さんの近況については「食欲旺盛で、(好物の)ウナギも一生懸命食べている」。加齢に伴う足腰の衰えには注意しているとしながら、「大変元気です」と報告した。
また、9月に静岡市であった再審無罪判決から1年の集会を巡る姉弟のやり取りも紹介。これまでは主に相づちだけだったのが、秀子さんに静岡行きの理由を尋ねたり、参加するか問われて「行かない」と返答したりしたという。「(巌さんが)ものを余分に言うようになった。死刑囚でなくなったことや裁判に勝ったことも認識している」と笑顔を見せた。【藤渕志保】
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