自民党の高市早苗総裁との政策協議を終え、取材に応じる日本維新の会の藤田文武共同代表=17日午後、国会内 自民党の高市早苗総裁と日本維新の会の藤田文武共同代表は17日、連立政権発足に向けた2回目の政策協議を国会内で開き、詰めの調整を急ぐ方針で一致した。自民は、維新が求める国会議員の定数削減を受け入れる方向で検討に入った。藤田氏は首相指名選挙での連携に関する立憲民主党、国民民主党との協議から離脱する考えも表明。高市氏が新首相に就く公算がさらに大きくなった。
藤田氏は記者団に「大きく前進した」と説明。維新が自民に提示した12項目の政策要望について「文言や解釈の最終の詰めを行う」と述べ、合意へ近づいていることを示唆した。協議に参加した自民の小林鷹之政調会長も同様の認識を示した。高市氏は維新が閣僚を出す「閣内協力」を打診している。
維新は、定数削減を連立参加の「絶対条件」としている。これに関し、複数の高市氏周辺は「削減の姿勢は示さないといけない」と明言。比例代表が対象になる見通しだ。
16日の初回の協議では、企業・団体献金の規制強化と食料品の消費税率ゼロでも隔たりが残っていた。17日の協議後、両党は個別政策に関する具体的な進展については説明を避けた。21日の首相指名選挙までの合意を目指す。
協議に先立ち、維新の吉村洋文代表(大阪府知事)は17日のフジテレビ番組で、議員定数見直しを「次の臨時国会、つまり今年中にやり切る」と強調。年内実現の確約を得られなければ連立は組まないと明言した。維新は目標値として「1割減」を求めている。
維新は看板政策の「副首都」構想実現と社会保障改革の断行も連立の条件に挙げている。藤田氏は会談後、合意を「確約できる状態には至っていない」と説明した。
藤田氏は首相指名選挙について「これ以上、野党側の枠組みを模索するのは難しい」と語り、立民、国民民主に「一区切りにさせてほしい」と伝えたことを明かした。高市氏への投票を前向きに検討する意向も示した。
国民民主の玉木雄一郎代表は「維新が外れた時点で、立民とやる意味はない」と指摘。立民の野田佳彦代表が呼び掛けてきた野党候補一本化を否定し、党として自身に投票する考えを明らかにした。野党統一候補が選出される可能性は狭まった。
野田氏と公明党の斉藤鉄夫代表も17日、国会内で会談し、企業・団体献金の規制強化や物価高対策について協議した。