少数与党、色濃く反映=聖徳太子引用、野党に対話呼び掛け―所信表明演説

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2025年10月25日 07:31  時事通信社

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時事通信社

衆院本会議で所信表明演説をする高市早苗首相=24日午後、国会内
 高市早苗首相は24日の所信表明演説で、政権運営に当たり野党とも対話を重ねる姿勢を繰り返し示した。衆参両院で過半数を持たない少数与党の政治状況下、野党の協力がなければ国政が進まない現実が色濃く表れた。

 首相は政治の安定を図るとして「政権の基本方針と矛盾しない限り、各党から政策提案をお受けし、柔軟に真摯(しんし)に議論していく」と表明。経済対策の策定に関し、「与野党で知恵を結集しよう」と呼び掛けた。

 結びでは、聖徳太子が制定したとされる「十七条憲法」の一節、「事独り断(さだ)む可(べ)からず。必ず衆(もろとも)と与(とも)に宜(よろ)しく論(あげつら)ふ可(べ)し」を引用。「衆議」が日本古来の伝統だと指摘し、「政治とは独断ではなく、共に語り、悩み、決める営みだ」と訴えた。

 政権幹部は「丁寧に国会運営を行い、国民の意見を聴く姿勢を表した」と狙いを語る。

 連立合意を結んだ日本維新の会にも配慮。党名の由来である明治維新の精神的支柱となった吉田松陰の言葉に演説で言及しながら、「地方の活力」を生かしていく考えを示した。維新の看板政策である「副首都」構想の検討加速、高校授業料無償化の来年4月からの実施も明言した。

 同時に「高市色」発揮に気を配り、演説の冒頭で「日本と日本人の底力を信じてやまない」と強調。日本経済に関して「強い」「強く」といった表現を10回ほど使い、「日本再起」を目指す決意を語った。「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」として、首相を引き立てた故安倍晋三元首相の路線を引き継ぐ姿勢を前面に出した。

 文字数は約7600字。近年の所信表明演説と同程度の分量となった。 

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  • 今の学生には厩戸皇子と言った方が通じが良いのかな?
    • イイネ!22
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