
日本テレビ福田博之社長が27日、都内で定例会見に出席し、同局系「news every.」(月〜金曜午後3時50分)が9月29日に放送した奈良県の奈良公園でのシカへの暴力をめぐる報道に関する声明を発表した件についてコメントした。
福田社長は「報道内容に誤りはございません」とし「取材の過程で十分な吟味、多角的な取材など見直すべき点もあったと総括しております。視聴者の誤解を招いたり、ご心配をおかけすることのないよう、役立つ情報をさらに伝えていきたい」と語った。
同番組は公式サイトで10月2日に「9月29日に放送した『奈良公園の鹿への暴力』に関するニュースは、取材で確認が取れた情報をお伝えしたものです」と発表。その上で「なお、取材にお答えいただいた方や無関係の方に対し、誹謗(ひぼう)中傷や迷惑行為等を行うことは、厳に慎んでいただきたくお願い申し上げます」としていた。
9月29日の放送では、自民党総裁選(4日投開票)に立候補している高市早苗氏が、外国人観光客を念頭に「奈良のシカを蹴り上げる人がいる」などと発言したことを報道。番組は、奈良公園の周辺取材として「ガイドを務めて10年以上」とのナレーションで紹介した女性が「シカさんに物を使ってたたいたり、攻撃的な観光の方とかは、基本的にあまり見かけない」「どの国の方がいらっしゃってても、長くやらせてもらってるんですけど、見たことない」などと発言した様子を伝えた。
また、公園近くの飲食店で約25年勤務していると紹介した男性の取材結果も放送。外国人がシカを踏んだり蹴ったりした目撃経験があるか、との質問に対し「僕は見たことないです。むしろ外国の方のほうが、フレンドリーに鹿と触れ合っている気がします」との回答を伝えた。
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この映像をめぐり、SNS上でさまさまな意見が噴出。Xでは、女性の所属する会社の代表と名乗るアカウントが出現し「彼女は実在する人間です」などと主張する事態となっていた。
高市氏の発言をめぐっては、奈良県の市民団体が9月29日、発言の根拠や認識を問う公開質問状を同氏側に送付したと発表。明確な根拠がなければ「外国人に対するヘイトスピーチに当たる可能性がある」と指摘し、問題となっていた。
また、会見には報道担当取締役も陪席しており「取材で確認のとれた情報をお伝えしておりましたが、十分な吟味、多角的な取材、見直すべき点はありました。やはり私たちの報道、取材の中で明らかなミスはなかったが、取材を重ねる普段からの仕事のやり方、我々の取材の多角性、しっかりと私たちの中で消化して伝えていくか、これをさらに教訓としまして、局内でも事案についても私たちの考え方、次に生かしていきたい」と話した。
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