
綾瀬はるか(40)が、映画「人はなぜラブレターを書くのか」(26年4月17日公開)に主演することが4日、分かった。00年10月に発生した営団地下鉄(現東京メトロ)日比谷線の脱線事故に遭い17歳の若さで亡くなった、大橋ボクシングジム練習生の富久信介さんにまつわる実話を元にした物語。主人公を當真あみ(19)と二人一役で演じ、石井裕也監督(42)と初タッグを組む。富久さんを、細田佳央太(23)が演じる。
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映画は、富久さんと毎朝、同じ車両に乗り思いを寄せた少女が、悲報で初めて富久さんの名前を知った20年後、大橋ジムの大橋秀行会長に富久さんへの思いをつづったメッセージを送った実話にひかれた石井監督がプロット(あらすじ)を作成。23年「愛にイナズマ」でタッグを組んだ日本テレビの北島直明プロデューサーと、大橋ジムと富久さんの父を取材して映画化を打診。手紙を書いた女性は、プライバシーを守りたいとの意思を尊重しメールで取材し、フィクションにして欲しいとの意向を受け主人公を創作し、脚本段階から設定を確認してもらった。撮影は24年11月から12月まで関東近郊で行い、女性も映画本編を見ている。
主人公の寺田ナズナは定食屋を営む中、あることがきっかけで高校時代に思いを寄せた相手に、24年の時を超えて再びラブレターを書く。綾瀬と當真は撮影前に会い、石井監督を交えて役の根幹を話し合って作った上で互いの芝居はあえて見ず、監督の演出に全てを委ねた。綾瀬は「脚本を読んだ時に涙が止まらなくて、心が揺さぶられました。生きたい、もっと見てたい、家族を愛して、家族に愛されて、生きてきた証のような思いの中で、初恋の人に24年越しのラブレターを書いたのかもしれません。ナズナのラブレターに秘められた物語をぜひ見て頂きたいです」と語った。
當真も「脚本を読んで、初めてこの出来事が実際にあった事なのだと知りました。友人と過ごしたり、何かに熱中したり、恋をしたりと当たり前に思っていた日常を、しっかりと見つめて大切にしたいと感じました」と脚本への印象を口にした。その上で「綾瀬さんが演じるナズナと、どうつなげられたらいいかを監督と話しながら、ナズナが経験し積み重ねた感情を作っていけるように演じました。この作品をたくさんの方に見ていただきたいです。映画を見た時、きっと自分の日常がいとおしく大切に思えるはずです」とかみしめるように語った。
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綾瀬の所属事務所の先輩・妻夫木聡(44)がナズナの夫良一を演じる。綾瀬との共演は08年「ザ・マジックアワー」以来17年ぶりで初の夫婦役を演じる。富久さんの父隆治役を妻夫木同様、石井組常連の佐藤浩市(64)が演じる。石井監督は「素晴らしいキャスト、信頼するスタッフたちとともにこの作品を作りました。みんなの思いや力が奇跡的に混ざり合って、結果的にすごい映画が完成しました。綾瀬さんはもちろんですが、映画を見終える頃には誰もが主役に見えると思います。」と自信を口にした。
妻夫木と佐藤もコメントを発表した。
妻夫木聡 さまざまなテーマで挑戦し続ける石井監督の作品に呼んでもらえることはとても光栄なことです。そして、自分にとっても新しい一面を見せられるようにと身が引き締まる思いでしたが、少しずつほどけていく家族の形を、1日1日確かめながら撮影する日々は、どうしようなく不器用で、素直になれないけど、それがとてもいとおしい時間でした。過去を生きる人、今を生きる人、みんなの想いがあふれている。悲しみさえも糧にして、前を向き、それぞれが夢に向かって踏み出していく様に涙が止まりませんでした。一つのラブレターによって、止まっていた時間が動き出していく。悲しいことも、うれしいことも、みんな手をつないで生きていければ良いよねって思わせてくれる、そんなすてきな映画です。ぜひ劇場でご覧ください。
佐藤浩市 突然の別れと、覚悟を持って向き合う別れ。どちらにしても後悔なく大切な人を見送ることのできる方はごくわずか…。しかしその想いが、より深く故人との歴史を刻んでくれると信じたい。
◆「人はなぜラブレターを書くのか」 寺田ナズナ(綾瀬はるか)は、とある青年に手紙を書きはじめる。24年前、17歳のナズナ(當真あみ)は、いつも同じ電車で見かける高校生・富久信介(細田佳央太)にひそかな思いを抱いてた。一方、信介は学校帰りにボクシングに夢中な生活を送り、プロボクサーを目指していた。そんな彼らに、運命の日、00年3月8日が訪れる。24年、ナズナからの手紙を受け取った信介の父・隆治(佐藤浩市)。その手紙の中に亡くなった息子の生きた証を確かに感じ、知りえなかった信介の在りし日が明らかになっていく。そして、隆治はナズナに宛てて手紙をつづりはじめる。愛する者を亡くして生き続けた隆治とナズナとの邂逅(かいこう)により、24年前の真実とナズナが手紙を書いた理由が明らかになる。人はなぜラブレターを書くのか−−その手紙が“奇跡”を起こす。
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