インタビューに答える能條桃子さん=1月20日、東京都中央区 政治分野のジェンダー平等実現を目指し、女性らの立候補を支援する「FIFTYS PROJECT」代表の能條桃子さん(27)が時事通信のインタビューに応じた。2023年の統一地方選で20〜30代の女性ら24人を全国の地方議会に送り込んでから3年。当事者目線の気付きが行政に生かされた一方、議員同士の人間関係や育児との両立など「課題も見えてきた」と語った。
「議会に若い女性が入る意味の大きさと、1人入っても変わらないという壁の大きさを、両方感じる」。能條さんは3年間の活動を振り返った。防災備蓄の生理用品を充実させたり、妊娠や死産・流産に関する相談窓口を市民に寄り添う形に改善させたりなど、成果もあった。
一方、政策実現のために議会で多数派をつくる難しさ、腰が重い行政へのもどかしさ、子どもの行事に出られない葛藤を打ち明けるメンバーも。特に深刻なのは議員同士の人間関係だという。政治信条が近い先輩女性議員と連帯できるかと思えば、「票の食い合いやポジションの取り合いになり、むしろ(連携が)難しい」という厳しい現実も見えた。
能條さんは前回の統一地方選ではメンバーの高い当選率に手応えを感じた。ただ、政令市議会や都道府県議会など規模の大きな選挙は今後の課題だ。これらには「政党政治」が持ち込まれやすく、新陳代謝も起きにくいため新人女性の擁立・当選のハードルが高いと分析している。女性の公認候補は「男性を脅かさない」「男性に受けそう」といった「男性目線」で選ばれがちだとも指摘する。
来年4月の統一地方選では、候補者を「100人立てたい」と意欲を示す。前回送り出した議員たちは、次の候補者の心強いサポーターになる。能條さんは「(議会が)男女同数までいけば、女性という『ラベル』が機能を持たなくなり、女性枠を取り合うこともなくなる。今は過渡期だ」と語った。
日本で初めて女性首相が誕生したことについて尋ねると、複雑な心情を吐露した。「世襲でもなく、普通の家庭出身の女性が首相になったのは本当にすごいことだ」としつつ、高市早苗首相は選択的夫婦別姓や同性婚への反対など「『バックラッシュ』(反動)の急先鋒(せんぽう)だった」と指摘。「自分たちの代表だと思える女性首相の誕生に向け、準備していくことが大事だ」と先を見据えた。
能條 桃子(のうじょう・ももこ)1998年生まれ。慶大院経済学研究科修士課程修了。一般社団法人「NO YOUTH NO JAPAN」代表理事。2021年、森喜朗元首相の女性蔑視発言に対する抗議署名を提出。22年、米誌タイム「次世代の100人」に選出された。

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