保守掲げ「機会の平等」重視=女性の健康支援に意欲―高市首相のジェンダー観・国際女性デー

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2026年03月08日 15:01  時事通信社

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国際女性デー2026
 高市早苗氏が日本初の女性首相に就任して4カ月半が経過した。過去の国会質疑や自身のウェブサイトで公開していたコラム(現在は削除)、インタビューなどからジェンダー観を読み解くと、「機会の平等」や能力主義を重視し、女性枠などの「優遇措置」には距離を置く姿勢が際立った。保守的な家族観を持ち、選択的夫婦別姓や同性婚には一貫して反対してきた。

 「女の分際で国会に行くなんて」(32歳の衆院初当選当時)、「どうせ女性枠だろ」(第1次安倍内閣での初入閣時)―。こうした言葉を浴びるたび、「仕事で結果を出す」と奮起した。「女性であることに甘えず、女性であることを捨てず」。母の言葉を胸に、首相にまで上り詰めた。

 言動の端々には「能力主義」への自負がにじむ。「女性議員にゲタを履かせて『男性のお情けによる結果平等』を演出するより、機会平等でポストを勝ち取らせてもらう方が、女性にもメリットは大きい」(2001年2月のコラム)。男女共同参画担当相時代も、「性別にかかわらず、能力や努力に応じて正当な評価が受けられる『機会平等が保障された社会』の実現を目指したい」とコラムに記した。

 国会議員の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」や「女性閣僚枠」といったアファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)には否定的だ。こうした高市氏の姿勢に対し、三浦まり上智大教授(現代日本政治論)は「『結果平等より機会平等』という二分法は正しくない。議員や閣僚になることは結果や名誉ではなく『機会』。そこを男女平等にすべきだ」と指摘する。

 自立して働く女性を体現する一方、「主婦」への憧れや尊重に言及するなど、伝統的家族観を尊ぶ保守政治家としての顔も併せ持つ。とりわけ、夫婦同姓の維持には若手時代から強いこだわりを持ち、旧姓使用の拡充に取り組んできた。

 国会で初めて触れたのは1997年の衆院法務委員会。当時の民主党が提出した選択的夫婦別姓導入法案に対し、「家族の一体性や子の姓の安定性に影響を与える。公序良俗の観点から望ましくない」と反対の論陣を張った。

 2004年の山本拓・元衆院議員との初婚時には、高市氏が改姓。「せっかく結婚したんだから」と政治活動も「山本」姓で行いたいと希望したが、夫の勧めで旧姓使用を選択したという。後に2人が再婚した時は山本氏が「高市」に改姓した。

 1993年の初当選以降、高市氏が質疑者として国会に立ったのは48回(憲法審査会など除く)。このうち女性政策に関わる質問は夫婦別姓のほか、婦人科受診時の保険診療の在り方、機会平等、育児中のテレワーク活用など6回程度にとどまる。

 政治家として「女性」を前面に出すことを好まない。一方、更年期障害、難病、介護といった自身の経験に基づき、女性の健康や、ケア労働と仕事の両立支援を重視する。

 首相就任後は「買春」規制の検討を表明。先の施政方針演説では、若い男女が性や妊娠に関する正しい知識を身に付けて健康管理を行う「プレコンセプションケア」を「推進する」と訴えた。



 

 ◇高市早苗氏の主な発言

【1993年7月 衆院選に無所属で初当選。96年12月 自民党入り】

▽(選択的夫婦別姓は)家族の一体性や子の姓の安定性に影響を与える。公序良俗の観点から望ましくない(97年6月の衆院法務委員会)

▽女性議員にゲタを履かせて「男性のお情けによる結果平等」を演出するより、機会平等でポストを勝ち取らせてもらう方が、女性にもメリットは大きい(2001年2月のコラム)

▽(政府の女性経営者支援策に)女性を「社会的弱者」と決め付けている発想がイマイチ気に食わない(02年11月のコラム)

【06年9月 第1次安倍内閣で男女共同参画担当相として初入閣】

▽性別にかかわらず、能力や努力に応じて正当な評価が受けられる「機会平等が保障された社会」の実現を目指したい(07年1月のコラム)

▽婦人科の病気で手術をしてから妊娠や出産が困難な状態にあるようで、子どもを授かることを切望しつつも諦めた。不妊に悩んでおられる方や自らの意思で子どもを産まない方を批判し、傷つけるような社会の空気をつくってはならない(同)

【22年8月 第2次岸田内閣で経済安全保障担当相に就任】

▽(同性婚導入に関し)憲法24条の解釈も含め非常に難しい問題だ(23年2月の衆院予算委)

【25年10月 首相に就任】

▽家事、育児、介護や地域を支える女性の活動は家庭、地域、社会にとって重要なものだ(25年12月の参院本会議)

▽女性であることに甘えず、女性であることを捨てず(26年2月の「選挙ドットコム」番組で、母から贈られた言葉として紹介)

▽女性の生涯にわたる健康支援を強化する(26年2月の施政方針演説)。 

首相官邸に入る高市早苗首相=6日、東京・永田町
首相官邸に入る高市早苗首相=6日、東京・永田町

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  • 機会の平等と適材適所は当たり前。しかし、男女差が如実に現れる分野はそれを受け入れないと、お互い不幸になるだけだよ。
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