埼玉県警が開設した「岩槻高齢者講習センター」に作られた講習コース=2024年5月 信号無視などの違反歴がある75歳以上の高齢運転者に義務付ける「運転技能検査」について、警察庁は3日、審査項目に車の「方向変換」と左右の「安全確認」を追加し、交差点での「一時不停止」の減点幅を拡大する方針を明らかにした。有識者会議の報告書を受けた見直しで、意見公募などを経て2027年度中にも制度を改める。
運転技能検査は、免許更新前の3年間に信号無視や速度超過などの違反をした高齢運転者が対象で、適切なハンドル操作や標識・信号に従った走行ができているかを実車試験で確かめている。だが、合格者が事故や違反をする割合が、違反歴のない高齢者より著しく高く、審査項目が適切かどうか、有識者会議で議論していた。
新制度では、車をいったん止め、車庫入れの要領でバックで切り返して逆方向に向かう「方向変換」を審査項目に追加する。ブレーキとアクセル、周囲の確認など複数の操作や判断を同時に行うため、運転能力の見極めに適しているという。一時停止場所や見通しの悪い交差点で、左右に首を振り、進路を確かめる「安全確認」も加える。
また、一時停止の標識がある交差点で停止線を越え、交差する道路にはみ出してしまう「一時不停止(大)」の減点数をこれまでの倍の40点に拡大。検査は累計31点以上の減点で失格のため、これに触れると一発で不合格になる。方向変換は20点、安全不確認は10点の減点。
警察庁は東京や大阪などの免許試験場で新制度の実証試験を実施したところ、合格率は現行より12ポイントほど低い81.6%だった。