《徹底活用》専門医が厳選した「がんに勝てる10食材」最新研究で明らかになった“すごい”食べ物

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2024年05月13日 06:00  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

「抗がん10食材早見シート」で高得点の朝食(1)

「これを食べるとがんが消えるという食材はありませんが、がんの予防に役立つ食べ物が、近年、少しずつわかってきました」

 と言うのは、北九州市にある産業医科大学病院のがん専門医、佐藤典宏先生だ。

抗がん作用のある食材が判明

 これまでは、食べ物の研究にお金を出す企業は少なく、研究費不足でがんと食事に関する研究はあまりされてこなかったという。

 だが、近年、アメリカやヨーロッパを中心に食事が関係していると思われる大腸がんが増えており、食べ物の研究にも研究費がつくようになったのだ。

「以前にはあまりなかった食事に関する科学的なデータが増え、さまざまな“抗がん作用”ともいうべき効果のある食材が徐々に認められてきたのです」(佐藤先生、以下同)

 例えば、ブロッコリーやキャベツなどのアブラナ科の野菜には強力な抗酸化作用があり、遺伝子が傷ついた細胞を消し去るなどして、がん細胞の増殖を抑えることがわかっている。また、私たちには血管を作り出す血管新生という働きがあり、がん細胞はそれを利用して栄養を集めて増殖するのだが、大豆やにんにくには、がんによる血管新生を邪魔する効果がある。

「がんに対してさまざまな角度から効果を発揮する食材をバランスよく毎日の献立に取り入れれば、がんのリスクが低下することは間違いありません」

 続いて、先生に選んでもらった、抗がん効果が特に高い10種の食材を紹介する。

抗がん10食材はここがすごい!

アブラナ科の野菜

「キャベツやブロッコリーなどには植物が有害なものから身を守るために作り出すファイトケミカルが豊富に含まれ、その一種であるスルフォラファンには強力な抗酸化作用があり、がん細胞の増殖を抑える働きがあります」(佐藤先生、以下同)

脂ののった魚

「さば、いわしなどの脂ののった魚には身体にいい脂質であるオメガ3脂肪酸が豊富。オメガ3脂肪酸は、がんの原因や進行の要因になる炎症を抑える働きがあり、がんリスクの低下に効果的です」

大豆製品

「がん細胞は血管を作り出す血管新生という働きを活性化させて成長しますが、イソフラボンの一種であるゲニステインは、血管新生を邪魔してがんを防ぎ、胃がん、大腸がん、卵巣がんの死亡リスクが50%前後低下したという報告も」

アリウム属の野菜

「玉ねぎやにんにくをはじめとしたアリウム属の野菜は抗がん作用抜群。強力な抗酸化作用を持つケルセチンが豊富で、抗がん作用のほか、動脈硬化の予防、血糖値やコレステロール値の低下が期待できます」

きのこ類

「きのこ類に含まれるβ-グルカンは、免疫力を高める働きがあり、きのこの摂取量とがんの発症率について調べたところ、最もきのこを多く食べていたグループはリスクが34%低下していました」

海藻類

「昆布やわかめ、めかぶなど、ぬめりのある海藻類に含まれるフコイダンががんに効果的。がん細胞が増えるのを抑える抗腫瘍効果や、がんの成長に関わる血管新生を阻害する作用があることがわかっています」

トマト

「トマトに含まれるリコピンは、がん細胞の増殖抑制、血管新生の阻害に働きかけるなど、強力ながん予防効果を備えています。また、コレステロール値の低下にも役立ち、生活習慣病予防効果もあります」

にんじん

「にんじんと肺がんの関係を調べた結果、にんじんを最も多く食べるグループは、最も少ないグループに比べて肺がんのリスクが42%低下しました。なお、ジュースにすると食物繊維が取り除かれるので調理して食べたほうが効果的です」

フルーツ類

「日本人を対象とした研究で、フルーツをほとんど食べない人に比べて、週に1回以上フルーツを食べる人は胃がんの発生率がおよそ30%低いという結果が。ジュースは糖分が添加されているものも多いので、フルーツそのものがおすすめ」

ナッツ類

「ナッツには食物繊維、ビタミン、ミネラルに加え、天然のポリフェノールであるエラグ酸やオメガ3脂肪酸のαリノレン酸などの抗酸化成分が豊富。がんを予防する効果が多くの研究で報告されています」

 ぜひ日々の食卓に取り入れたいところだが──そうはいっても、献立を考えるときに昨日食べたものをいちいち思い出して、今日どの食材を食べるべきかを考えるのも面倒だ。

「そんな人にぜひ使ってほしいのが、書き込み式の食材シートです。1日に1回○印を付けるだけで自分の食生活を可視化することができるので、おすすめです」

○を付けるだけで自然と増える

 『週刊女性 2024年5/21号』に49ページに掲載の記事の最初に、付録として2つ折りのシートが付いている。これが「抗がん10食材早見シート」だ。

 このシートには、がんを寄せつけないために食べてほしい10種の食材が書かれていて、食べたら〇印を書き込めるようになっている。〇1つが1点で、1日10点満点。

 例えば夕食後などに自分の食事内容を振り返って毎日このシートを付けると、「今日はこの食材に〇が付かなかったな」といった具合に食材の多様性を意識するようになり、抗がん食材が日々の食卓にバランスよく上がるようになっていくというわけ。

 実際にこのシートを読者モニターに記入してもらったところ、「買い物のときに徐々にこの食材シートを意識するようになってきました」、「得点が高いほうがうれしいので○を多く付ける意識が働いて、いろいろな食材を食べるようになりました」といった声をもらったので、ぜひ効果のほどをおためしあれ。

 なお、このシートには“食べるべき量”は書かれていない。

「どのくらい食べるべきかという量は決めていません。1回に多く食べるよりは、無理のない量で構いませんので毎日の献立に組み入れて、継続することがもっとも大事です。

 そのため、簡単に始められて長続きしやすいよう、あえて量は指定していないのです」

 1日の結果がなるべく高得点になるように、いろいろな食材を食べるよう心がけて、穴埋めのゲーム感覚で楽しみながら付けていってほしい。

ときどき振り返って食生活を見直し

 付録のシートは10日間付けられるようになっているので、10日たったらシートを見ながら自分の食生活を振り返ると、より効果的だ。

「10食材シートの縦の列に注目すると、○がたくさん付いている列と、あまり付いていない列があると思います。○が少ないのが自分の食卓にのぼりづらい食材。

 もちろん、療養中のために消化にあまりよくないものを避けたりといった理由で〇が付かない食材があるのはまったく問題ありませんが、そうではないのにあまり〇が付いていない食材があるかもしれません」

 それが例えばナッツ類なら、おやつに食べている甘いものを少し減らして、その代わりに、おやつにミックスナッツを食べるようにすると、ラクに毎日○を付けることができるようになる。

「今は2人に1人ががんになる時代。日本人の死因第1位もがん。がんを予防することが、健康長寿への一番の近道だといえると思います」

 ぜひ、付録の抗がん10食材シートを活用して、健康に長生きしたい。

抗がん10食材シートQ&A

Q.10種のなかに苦手なものがあります。食べないとダメ?

 いいえ、無理して食べる必要はありません。大事なのは1点でも高い点数をとることではなく、1日でも長く続けることです。我慢せずに継続できる範囲で十分です。

Q.シートに肉が入っていないのは食べるなということ?

 このシートには肉が入っていませんが、筋肉を減らさないためにもタンパク質は大事ですので肉を避ける必要はありません。ただし、豚バラや鶏肉の皮、牛カルビ肉など、脂身の多い肉は食べすぎ注意です。

Q.ふだんの倍の量を食べたら2日分、○を付けてもいい?

 いいえ、付けないでください。このシートを付けることには、その食材を毎日食べることを習慣づける意味もあるためです。

Q.外食時の注意点があれば教えて?

 外で食事をする際は麺類や丼ものを頼むより、副菜などがついた定食を頼んだほうが○が付きやすくなります。お弁当を買うときは、いろいろな食材が入っている幕の内弁当がおすすめです。

私たち、10食材シートを使ってみました!

食卓に抗がん食材が増えました!鵜飼寿子さん(60歳代)

「この書き込みシートはすごくわかりやすくて、何を食べるべきか、すぐに意識づけすることができました。スープにするといろいろな食材を一品でとれるので、あまり苦労することなく高得点に。10点満点も10日間で4回ありました!」

シートを付け始めて朝食が激変しました!足立文恵さん(仮名、50歳代)

「シンプルなシートなので、無理なく続けられました。昼食や夕食は仕事や急用などで、なかなか思いどおりにいかないとわかり、比較的コントロールしやすい朝食に重点を置くようにしました。今もシートをコピーして付け続けています」

「写真は3日間の朝食。汁物を具だくさんにすると、○を多く付けられました。この3食はどれも1食で8〜9点。朝食が高得点だと1日の気分も上がります(笑)」

魚の缶詰を積極的に食べるようになりました!福岡明さん(仮名、57歳)

「冷蔵庫に貼っていつでも見られるようにしています。やはり点数が高いほうがうれしいですね。チェックの習慣がついたおかげで、それまであまり食べなかったさば缶やいわし缶を積極的に食べるようになりました」

「妻がいろいろとスープを作ってくれました。知人からたけのこをもらったのですが、初物でしたので、さっそくみそ汁に入れて縁起をかつぎました」

徐々にこのシートを意識するようになりました!竹本義弘さん(58歳)

「私は料理をしないので、当初は妻の買い物の都合次第でしたが、徐々にこのシートを意識した献立に変わっていきました。病気で療養中のため、消化の悪いきのこと海藻は今回避けましたが、食べる食材を少しずつ増やせるといいなと思っています」

教えてくれたのは……佐藤典宏先生●産業医科大学第1外科講師。がん患者に役立つ情報を提供するYouTubeチャンネルのフォロワー数は現在約15万人。著書に好評発売中の『がんにも勝てる長生きスープ』(主婦と生活社)など。

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