Q. 「コーヒーは、がん予防効果が高い」って本当ですか?【医師が解説】

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2024年09月22日 20:50  All About

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【医師が解説】コーヒーのがん予防効果については、さまざまな調査・研究による報告があります。いくつかの信頼できる機関からの報告をご紹介しながら、注意点についてもお伝えしたいと思います。

Q. 「コーヒーには、がん予防に効果がある」って本当ですか?

Q. 「『コーヒーを1日3杯以上飲めば、子宮がんにならない』と聞きました。コーヒーは、がん予防効果が高いのでしょうか? 毎朝必ず1杯は飲んでいますが、1日3杯以上飲まないと、がん予防効果は期待できないのでしょうか?」

A. 一部のがん予防に効果的という報告がありますが、過信や無理は禁物です

こちらは、国立がん研究センターの多目的コホート研究に基づく情報でしょう。「コーヒーが子宮体がん予防に有効」という報告は、たしかにあります。

この研究では、約5万9千人の40〜60歳代の女性を対象に、15年間にわたって追跡調査が行われました。この調査によると、「コーヒーを飲むのは週2日以下」だったグループに対し、「コーヒーを毎日3杯以上飲む」グループの方が、子宮体がんになるリスクが約6割低かったと報告されています。

「3杯以上飲まないと効果がないのか」というご質問もありますが、同コホート研究において、「毎日1〜2杯コーヒーを飲む」というグループにおいても、子宮体がんリスクは約4割低かったと報告されています。

コーヒーとがんの関係については、子宮体がんだけなく、さまざまな報告があります。信頼できる機関からのいくつかの調査報告を見ても、浸潤結腸がんや肝臓がんにおいても、コーヒーを飲んでいた人の方が、リスクが低かったという報告がされています。

では、「コーヒーを多く飲むほど、がん予防効果が高くなり、健康にいい」と言えるのでしょうか? この点には注意が必要です。上記のがん以外の病気にも目を向けてみると、逆に「コーヒーを多く飲むほどリスクが上がる」と報告されているものもあるからです。

ですので、子宮体がんの予防だけを目的に、コーヒーを多く飲む必要はありません。落ち着いた気持ちになりたいときやリフレッシュしたいとき、1杯のコーヒーでゆったりとした時間を気持ちよく過ごすことが、心身の健康に一番いいのではないでしょうか。

狭間 研至プロフィール

大阪大学医学部卒。日本外科学会 認定登録医。大阪大学医学部付属病院、大阪府立病院などで外科・呼吸器外科診療に従事した後、現在は地域医療の現場で医師として診療を行う。ファルメディコ株式会社 代表取締役社長。医療法人嘉健会思温病院理事長。外科医、地域医療、薬局運営の豊富な経験から、医療と患者さんの橋渡しとなる分かりやすい医学情報発信を行っている。
(文:狭間 研至(医師))

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  • これ遺伝子によって感受性が違うんでなかったかな コーヒーを飲んでた人のほうが〜っていうのは遺伝子まで調べないとデータをとる母集団として適当であったのかどうかもわからない希ガス
    • イイネ!1
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