【出雲駅伝】国学院大2度目V アンカー対決制した平林清澄主将「ドラマ作ってきます」有言実行

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2024年10月14日 19:54  日刊スポーツ

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出雲駅伝で優勝のゴールテープを切る国学院大・アンカー平林(撮影・上山淳一)

<出雲駅伝>◇14日◇島根・出雲大社前〜出雲ドーム前(6区間45・1キロ)



国学院大が2時間9分24秒で5年ぶり2度目の優勝を果たした。2月の大阪マラソンで初マラソン日本人最高記録を樹立した平林清澄主将(4年)が、3連覇を狙った駒大の篠原倖太朗(4年)とのアンカー対決を制した。19年大会の初Vを見て入学を決めたエースが、大学3大駅伝の初戦で5年前の優勝を見事に再現してみせた。1月の箱根駅伝を制した青学大は3位だった。


   ◇   ◇   ◇


5年前に憧れ、陸上人生の進路を決めた瞬間を今、自分が繰り返そうとしている。出雲ドームに入る右折で、平林はようやく確信した。「勝った」。篠原を大きく離し、両手を大きく広げ、ゴールテープに飛び込んだ。「再現ドラマのような走りができて、憧れは憧れのままで終わらせずに、しっかりいい走りができた」。つながった“国学院駅伝物語”の主役は、仲間に天高く胴上げされた。


19年大会。当時4年の土方主将が最終6区で快走し、4位からの大逆転勝ちを決めた。駒大と進路を迷う中、「鳥肌が立った」と新興校への入学を決めた。あれから5年。この日が出雲3度目のアンカー。首位でタスキを受け、スピードで勝る篠原が4秒差で追ってきたが「絶対に負けられない」。中盤の下りでペースを上げ、引き離した。前夜、土方から「優勝したらドラマだな」と連絡がきた。「ドラマ作ってきます」。有言実行だった。


新チーム発足間もない2月の大阪での初マラソン。快挙は、チームの天井を押し上げた。社会人、外国勢にも打ち勝ち、学生レベルにとどまらない走り。「やっぱすげえわ」「やってくれる主将だ」。仲間たちは沸いた。前田監督は「どんな言葉よりも説得力があった。この練習をやったら僕もそうなれる、と。チームのスケールが上がった」。この日は4区の野中(2年)、5区の上原(3年)が区間賞を獲得した。


今シーズン掲げるスローガンは「歴史を変える挑戦〜EP・3〜」。平林は「あと2つチャンスは残ってる」と、11月の全日本大学駅伝、そして来年1月の箱根駅伝を見据える。再現の先へ、今度は新作ドラマをつくり上げる。【阿部健吾】


◆19年出雲駅伝 7年ぶり3度目出場の国学院大が、令和初の3大駅伝で初優勝した。最終6区で37秒差の4位でたすきを受けた土方英和主将(4年)が残り700メートルで駒大を抜いて首位に立つ逆転劇に、「ゴールテープを切る事を考えてはいたが、まさか…本当に達成できるとは」。00年に主将として駒大の箱根初Vを遂げた前田監督は「まさか逆転できるとは。ただただ感動した」と喜んだ。


◆平林清澄(ひらばやし・きよと)2002年(平14)12月4日、福井・越前市生まれ。福井・武生第五中から進んだ美方高1年で競技を始め、1年時に全国高校駅伝3区36位、2年時に同1区22位。国学院大入学後は22年日本学生ハーフ優勝、23年全日本大学駅伝7区区間賞など。自己記録は1万メートル27分55秒15、ハーフ1時間1分23秒。好きな食べ物は油そば。シューズはアディダス社製を使用。168センチ、48キロ。

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