Juju vs 平良響のオーバーテイク・バトルと来季。Juju「今は乗るところがない」TGMとの2025年の参戦は黄色信号

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2024年11月10日 21:40  AUTOSPORT web

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2024スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 最終コーナーの立ち上がりで接近するJuju(TGM Grand Prix)と平良響(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
 11月10日、鈴鹿サーキットで行われた2024全日本スーパーフォーミュラ選手権最終戦JAFグランプリに出走したJuju(TGM Grand Prix)と平良響(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は、レース中盤に約5周にわたって接近戦を展開。ルーキー同士の接近戦は公式放送にも映し出され、サーキット中も注目した。

 前日の第8戦では自己ベストの12位完走を果たしたJujuは、21番手からスタートするとミニマムの10周目でピット作業を済ませ、隊列に続きながら周回を重ねていた。一方、19番手スタートの平良は16周目までピットインを遅らせ、ピットアウト後にJujuの後ろで隊列に合流する。数秒ほどあった2台の差はすぐに縮まり、20周目から約5周に渡ってテール・トゥ・ノーズのバトルが展開され、24周目の日立Astemoシケインまでバトルは続いた。この戦いについて、ふたりに聞く。

■『OTSの使い方』で一歩前進のJuju

 まずは、ポジションを守る側として戦ったJujuがバトルを振り返る。

「(私の)ペースが良くて、逆に平良選手は『結構リヤが滑ってそうだな』と感じました。ただ、OTS(オーバーテイク・システム)は相手の方が多く残っていたこともあって、最終的には抜かれてしまいました」

「それでも、タイヤのデグラデーションを考えてペース配分をしながらバトルができたので、抜かれたあとも離されることなく、前の小高(一斗/KONDO RACING)選手にもついていくことができた点はすごく良かったと思います」

 約5周続いたバトルに対して、敗因とうまくいった点をそれぞれ語ったJuju。今季は、シーズンが後半に進むにつれてバトルのシーンが増えていった彼女だが、その理由にはOTSの使い方を挙げた。

「前回の(第6&7戦)富士からですが、相手がOTSを使ってくるタイミングを考えながらバトルできるようになってきました」

「今日もタイミングを考えながらOTSを使うことができたと思いますし、あと一歩で小高選手に仕掛けることができたのではないかというタイミングもあったので、自分のベストを尽くした戦い方はできたのかなと思います」と、順位を奪われはしたものの戦い方には手応えを得た様子でバトルを振り返った。

■ペース差を感じつつも『うまくやられた』平良響

 続いて、追いかけた平良にも状況を聞いた。

「Juju選手とのバトルは、僕の方がタイヤが新しくて、向こうの方が古いという状況で、こちらが1周で2秒ぐらいペースも良かったのかなと思っていました」

「なので、時間はかかるかもしれないけれど絶対に抜くことはできる、と感じていました」

 確実に抜く自信はあったという平良だが、たったひとつのその懸念は当たり、数周に渡って接近とバトルを繰り返すも、なかなか決着がつかなかった。そのなかで、Jujuがタイミングを見ながらOTSを使用していたことは、平良も把握していたようだ。

「抜けるとは思っていたものの、相手もOTSの使い方も考えていたみたいで、『うまくやられているな』と」

「僕に近づく前にJuju選手がOTSを使いながら逃げて、逆に僕が使っても届かないくらいに距離が空いたら『お休み』、みたいな感じだったのだと思います」

「たぶん、『僕が抜きにかかるタイミングではこっちも使えるよ』、みたいな状態を意識していたんだろうなと思いました」

 そして、前日の第8戦での小林可夢偉(Kids com Team KCMG)とJujuのバトルでも注目を集めていた“幅寄せ”について、平良が振り返った。

「怖かった瞬間はありました。場所はバックストレートなのですが、途中で(右側の)舗装面が狭くなってダートに変化する箇所があります。今回は僕がOTSを使いながら右に並びかけていったのですが、そのまま走っていたらダートに出てしまうのではないか、という状況があったので進路を左に変更しつつ、こちらが一歩引きました」

「おそらく、こっち側のノーズが相手のリヤタイヤあたりまで並べられていたかどうかくらいの距離だったと思うので、そこまで騒ぐほど向こうが悪いとは思っていないですが、ちょっと優しさで引いたところはありましたね」

「その後のシケインでは、(インに)入ったときにきちんとスペースを残しましたし、向こうも全開で踏んでくるようなこともなかったですよ。こっちが2秒くらい速い感覚だったので、向こうも『どうぞ』というところもあったのかなとは思いますけど」と、オーバーテイクしたシケインでのバトルはクリーンだったと振り返った。

■気になるふたりの来季は

 そして、ふたりのルーキーについて気になるのは、来季の話。

 平良は「来年についての話はまったく(していない)ですね。ただ今後、トヨタさんやチームからいろいろお話をもらうとは思います」という。

「『どこかでSFに乗るかも』となったら、まずはルーキーテストで頑張れればと思います」

 一方のJujuについては、「今は乗るところがない」と明かした。というのも、来季のチームの状況で不透明な部分があるからだと話を続ける。

「来季はTGM Grand Prixがチームとして『スーパーフォーミュラのエントリーをしない』ということを聞きました」

「なので今は、乗るところがない状況です。来季はレース活動を続けられるかどうかまだわからないですが、自分の成長できる舞台で走りたいなと思います」と希望を述べて今季ラストレースを締めた。

 ミックスゾーンでのこの発言後、TGM Grand Prixの池田和広チーム代表に聞いたところ「今年も毎戦、出場が危ぶまれていたところはありましたが、来年もスーパーフォーミュラを続けたい希望はあります」と、池田代表。来年のTGMはすでに2025年のAbu Dhabi Autonomous Racing League(A2RL)、いわゆる自立走行スーパーフォーミュラにエントリーすることを表明しているが、その自立走行レースと現在のスーパーフォーミュラの両方のカテゴリー参加を希望している。

 もちろん、希望はしていても、実際の運営資金が確保できなければ参戦は叶わない。いろいろ厳しい状況であることは間違いないが、来年のTGM Grand Prix、そしてJujuの参戦はどうなるのか、もう少し時間が必要なようだ。

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  • 走るところがない時点でパドックの評価は推して知るべし。スーパーGTのリル・ワドゥやウィリアムズ育成の松井沙麗と比べるとね。見劣りする。SFライツやリージョナルなら良かったが
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