米半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が13日、東京都内で講演し、生成AI(人工知能)の普及を目指して通信大手ソフトバンクなど日本企業と幅広く連携する考えを表明した。「AIの革新に向け、協力し合えることを願っている」と述べた。
ソフトバンクは生成AIを開発するためのスーパーコンピューターを整備中。フアン氏は、エヌビディアが開発している次世代半導体を提供すると明らかにした。
同社は、ソフトバンクが開発中の新たな通信システム「AITRAS(アイトラス)」でも連携する。携帯電話の基地局にAIを搭載することで通信の安定性を向上させる技術で、2026年以降の実用化を目指す。自動運転やロボット分野で通信遅延を抑える効果も期待される。
フアン氏は講演で、日本は技術力が高い産業機械メーカーが多いと指摘し、「日本ほどロボットAI革命をリードするのに適した国はない」と強調した。講演後はソフトバンクグループの孫正義会長兼社長と対談。孫氏は、生成AIの登場について「最もワクワクする大きな波だ」と期待感を示した。経済安全保障の観点から、各国で独自のAIデータセンターを構築していく必要性も訴えた。