海上保安庁は20日、2025年度に行う海上保安官の採用試験から、身長と体重制限を撤廃すると発表した。これまでは船上での勤務を考慮し、男性157センチ、48キロ以上、女性150センチ、41キロ以上を選考基準としていた。人材確保に苦慮する中、門戸を広げる必要があると判断した。
海保によると、巡視船の機関砲を遠隔操作できるようになったことや、資機材の軽量化が背景にある。
採用試験の応募者は年々減少しており、幹部を養成する海上保安大学校(広島県呉市)では23年度試験の倍率が2.7倍(本科)、海上保安学校(京都府舞鶴市)でも2.4倍(今年10月入校)で、いずれも過去5年間で最も低かった。
瀬口良夫長官は20日の記者会見で、「業務が複雑多様化する中、幅広い受験者層から人材を確保できるようになる」と語った。