すでに5車種同時の新型モデル投入を表明し、今年9月から予約注文の受付が開始されていたフォルクスワーゲンの9代目『Passat(パサート)』が、ワゴンボディ専用モデルとして従来のMQBアーキテクチャーの進化版である“MQB evo”を採用し、この11月25日より日本市場での正式販売が開始されている。
ブランド屈指のロングセラーモデルとして1973年の発売以来、50年以上の歴史を誇るパサートは、すでにあの伝説的モデル『Beetle(ビートル)』を超える3400万台以上が販売されている。
そして主要市場たる欧州の要請で“ヴァリアント”に1本化された最新型は、従来よりボディを拡張したことで、ひとクラス上のセグメントに相当する4.9m級のボディサイズが与えられ、あらゆる用途やライフスタイルに対応する包容力を獲得することに。
とくに50mm延長されたホイールベースにより後席の居住性が向上し、多人数乗車でも快適に過ごせるゆとりあるボディサイズとされ、最大1920リッターの荷室容量は、ステーションワゴンとして最大級の容量を誇る。
また、進化したアーキテクチャーの採用もあり多くの最先端技術を採用することに成功し、従来のアダプティブシャシーコントロール“DCC”も“DCC Pro”へと大幅な機構的進化を遂げ、新次元の快適性を実現したと謳う。
ボリュームセグメント初となる2バルブ独立制御式を採用したこの機構は、従来型では不可能だった複雑な制御を実現し、内部構造は伸び側/縮み側が独立したオイル回路となっており、それぞれ減衰力をコントロールできることが特徴に。
新型ではこの技術を用いることで、本来相反するダイナミックな走行と快適な乗り心地をこれまでにない高いレベルで両立。さらに電子制御ディファレンシャルロック(XDS)を高度に協調制御する“Vehicle Dynamics Manager”とも組み合わされ、走行状況に応じて4輪独立で可変制御することで、スポーツモードではフォルクスワーゲンらしい定評ある軽快なハンドリングを、コンフォートモードでは快適なフラットライドがもたらされる。
■eHybridはPHEV向けに細かなチューニングを実施
パワートレインは、前輪駆動となる1.5リッターのeTSIマイルドハイブリッドシステムと、フルタイム4WDシステムの“4MOTION”と2.0リッターTDIクリーンディーゼルの組み合わせに加えて、大幅にEV航続距離を伸長させたプラグインハイブリッド(PHEV)の“eHybrid”をラインアップ。
今回48Vマイルドハイブリッド化された1.5のeTSI直列4気筒ガソリンターボは、燃焼プロセスに高効率なミラーサイクルを採用し、さらに高度な技術であるガソリン用可変ジオメトリターボを組み合わせるなど、省燃費とトルクレスポンスを両立させた最新スペックのユニットになり、制御を最適化して気筒休止とコースティング時のアイドルストップ時間を拡大したアクティブシリンダーマネジメント(ACT)も備える。
また2200barのコモンレールを用いる2.0リッター直列4気筒ターボディーゼルは、2連式SCR噴射を採用したツインドージング型で高いNOx除去能力と優れたレスポンスを実現した最新世代となり、一方のeHybridは1.5リッターeTSIをベースとしながらPHEV向けに細かなチューニングを実施。
システム総合出力150kW(約204PS)/350Nmを発生し、大容量のリチウムイオンバッテリー(総容量:25.7kWh、EV走行時最大使用容量19.7kWh)により、EV航続距離142km(等価EVレンジ、WLTCモード、国土交通省審査値)を実現し、日々の市街地のドライブでは排出ガスを発生しないEVとして、遠出はハイブリッド車として活用することも可能となる。
レーンキープアシストシステム“Lane Assist”や、レーンチェンジアシストの“Side Assist Plus”に“Travel Assist”などの最新の運転支援システムをすべて標準装備とした『Elegance Basic(エレガンス・ベーシック)』を1.5eTSIのみのエントリーグレードに設定し、15インチの大型タッチディスプレイを備えた純正インフォテイメントシステム“Discover Pro Max”やヘッドアップディスプレイを標準装備した『Elegance(エレガンス)』、そして専用エクステリアを身に纏い、専用シートや19インチアルミホイールを装着した『R-Line(Rライン)』の3グレードを設定して計7グレード展開となり、価格は524万8000〜679万4000円(税込)となっている。
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フォルクスワーゲン公式サイト:https://www.volkswagen.co.jp/ja/models/passat.html