韓国の尹錫悦大統領がきのう、政党の活動などを制限する「非常戒厳」を宣言しました。宣言は、その後解除されましたが、野党が大統領の弾劾手続きに入る方針を示すなど混乱が広がっています。
韓国 尹錫悦 大統領
「自由民主主義の基盤になる国会が自由民主主義体制を崩壊させる怪物になったのだ」
きのう午後10時20分ごろ、尹大統領が突然、韓国でおよそ40年ぶりとなる「非常戒厳」を宣言しました。
これに伴い、戒厳司令部は国会や政党の活動、集会など、一切の政治活動を禁じるとの布告令を発表。銃や暗視装置を装備した韓国軍の特殊部隊の兵士らが国会に突入し、進入を防ごうとした国会の関係者らともみ合いになりました。兵士らに消火器を噴射する人の姿も見られました。
ソウル市内の通りには尹大統領に抗議する市民たちが詰めかけ、軍の車両を取り囲むなど騒然とした状況となりました。
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市民
「頭にきて出てきました。あり得ないので」
「容認できない。多くの国民がそう思っているのではないか」
その後、国会で宣言の解除を求める決議案が可決されたことを受けて、尹大統領は未明に宣言を解除しました。
野党側は先ほど、大統領を内乱罪で告発し、弾劾手続きに入る方針も示しています。また、大統領府の要職である秘書室長や首席秘書官らも一斉に辞意を表明していて、混乱が続いています。