12月11日、秋篠宮家の長男、悠仁さまに関するおめでたいニュースが報じられた。
「茨城県つくば市にある筑波大学の生命環境学群生物学類の推薦入試に合格されました。昨年6月、現在通われている筑波大学附属高校の学校行事の一環で、同大学を見学された際、昆虫に関する研究室があることや、実験や実習の種類が豊富にあることなどに惹かれ、受験する気持ちを固められたのだとか。秋篠宮ご夫妻は合格発表を受け、安堵されたそうです」(皇室担当記者、以下同)
悠仁さまが進学される学部の特徴
悠仁さまが進学される生命環境学群生物学類とは、どのような特徴があるのだろうか。
「学群学類は一般的な大学の学部学科に当たります。生命環境学群生物学類は悠仁さまがご関心のある“自然誌”を学ぶことができます。悠仁さまは特に生き物や自然環境に興味を持たれており、中でもトンボへの関心が高く、昨年11月には共同研究者とともに『赤坂御用地のトンボ相』という学術論文を発表されました。筑波大でもトンボの研究を続けられることでしょう」
祝福の声が上がる一方で、合格発表の裏には悠仁さま本人の“ご配慮”があった。
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「実は、合格発表は悠仁さまの意思にそぐわないものだったのです。多くの受験生が追い込みをかける中、ご自身の個人的な合格発表は控えたいと考えられていました。しかし、悠仁さまの進学先を巡る報道が過熱したことで、宮内庁幹部の判断で即日発表に至ったのです」(宮内庁関係者)
悠仁さまの進学先については、東京大学農学部など、さまざまな大学が取り沙汰されたが、筑波大学とはどのような大学なのか。
「筑波大には大学院生を含む約1万7千人が在籍しており、筑波キャンパスの敷地面積は約258ヘクタール。これは東京ドーム約55個分に当たり、1つのキャンパスとしては全国2番目の規模です。キャンパス内には研究棟や体育館、競技場だけでなく、学生宿舎やスーパーとカフェが併設されたショッピングプラザもあるなど、構内はひとつの街のようになっています」(筑波大OB、以下同)
学生宿舎の規模も大きく、イベントも盛りだくさんだという。
「学生宿舎は合計で67棟、約3800の部屋があります。新1年生は優先的に入居でき、1年ごとの更新。2年目以降は抽選になっています。もし悠仁さまが1年次から、入居を希望される場合は、システム上、ほぼ間違いなく入居が可能です。
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行事でいうと、毎年5月に学生宿舎エリアを会場とした宿舎祭『やどかり祭』に加え、11月には一般の文化祭にあたる『雙峰祭』もあります。『雙峰祭』は“模擬店祭”と呼ばれるなど、数多くの出店があります。悠仁さまもお友達と楽しまれることでしょう」
筑波大の留学制度
秋篠宮さまは11月25日に開かれた、トルコ訪問に際しての会見内で、悠仁さまに対し、「海外で学びを深めてくれたらうれしい」と言及された。筑波大の留学制度について、この筑波大OBが続ける。
「学生交流協定を結んでいる海外の大学への交換留学など、留学には4つの種類があります。悠仁さまが進学される学群は英国の『マンチェスター大学』生物科学部と交流協定を締結しています。マンチェスター大学で学んだ期間は筑波大の在籍年数にカウントされるので、留年することなく卒業が可能。海外留学を視野に入れて入学する人も多いですよ」
悠仁さまも春からのキャンパスライフに思いを馳せていることだろう。しかし、ある皇室ジャーナリストは警鐘を鳴らす。
「'19年4月、当時通われていた『お茶の水女子大学附属中学校』の悠仁さまの机の上に刃物が置かれるという衝撃の事件が起きました。犯人は“悠仁さまを刺そうと思った”と明確に動機を語ったのです。筑波大は、悠仁さまの姉の小室子さんや佳子さまが通われたICU(国際基督教大学)と比べて、約5倍の敷地面積。入り口も多く、容易に構内に侵入できるなどの危険性をはらんでいます」
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しかし、警備に関して、ある宮内庁OBは敷地面積は関係ないと分析する。
「防犯カメラや警備員の数を増やすなど、いくつかの策は講じるでしょうが、警備としては、悠仁さまが受けられる授業の棟や研究室、食堂など悠仁さまが生活するエリアの近辺が主になるでしょう。構内の至るところに警備を配置するという大それたことは行わないと思います。しかし、悠仁さまは佳子さまや愛子さまとは違い、将来天皇になられる方です。そうした点から、日常的な巡回警備も、より強固になることは考えられます」
通学路の警備問題は
宮内庁によると、今のところ悠仁さまは赤坂御用地から通われる見通しだという。しかし、現在のお住まいから筑波大学までは車で1時間以上、電車では片道2時間ほどかかる。赤坂から通うのは、はたして現実的なのだろうか。宮内庁OBで皇室解説者の山下晋司さんが、通学路の警備問題について解説する。
「将来、天皇におなりになる方ですから、それなりの警備体制が必要です。赤坂御用地の宮邸から通われる場合、自動車でも電車でも、通過する千葉県警や埼玉県警も関わることになるでしょう。悠仁親王殿下のご負担も大きくなりますので、当初は宮邸から通われるとしても、卒業までそうされるとは思えません」
ゆくゆくはひとり暮らしの可能性もありそうだ。前出の皇室ジャーナリストは悠仁さまの居住形態について、
「学生宿舎よりは一軒家やマンションのほうが好ましいのではないでしょうか。一軒家は人の出入りがないですし、塀を高くして外からの視線を遮ることができるので、警備はしやすくなります。
さらに、つくば駅周辺にはいくつかのタワーマンションがあり、その上層階であれば、外から悠仁さまの私生活を覗かれることはないでしょうし、防犯面も優れています。タワーマンションの可能性も十分考えられます」
筑波大への進学によって“巨額コスト”がかかることが想定されるが、皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授によると、
「金銭面を含む秋篠宮家への優遇が増えるのであれば、逆風が強まってしまうのでは。
皇族が社会の中に入り、一般国民と同様の生活をすることの問題点について、宮家や宮内庁は真剣に検討していかないと、悠仁さまご自身の精神的な負担や国民からの反発を増やすだけの結果になる危険性もあると思います」
悠仁さまのキャンパスライフにおける山積みの課題を解決することはできるのだろうか─。
小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』など著書多数
山下晋司 皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている