内閣府は20日、「国民生活に関する世論調査」の結果を公表した。生活の中で悩みや不安を「感じている」との回答は「どちらかといえば」を合わせて78.2%に達し、質問を始めた1981年以降で最多だった。「生活の程度はどうか」との問いでは「中の下」と答えた人が28.1%に上り、35年ぶりの高水準だった。
悩みや不安の内容を複数回答で尋ねると、「自分の健康」が63.8%でトップ。「老後の生活設計」62.8%、「収入や資産の見通し」58.0%と続いた。生活の程度は「中の中」46.7%、「中の上」14.2%、「下」8.7%、「上」1.7%だった。
所得・収入については「満足」「まあ満足」が合わせて34.9%となり、過去最低だった前年より3.5ポイント改善。「不満」「やや不満」は3.5ポイント減少し、64.5%だった。政府内では「賃上げの効果が出ている」との見方も出ている。ただ、政府が力を入れるべきだと思う施策を複数回答で聞いたところ、前年と変わらず「物価対策」の66.1%が最多だった。
調査は57年度から原則毎年実施しており、今回は67回目。2024年8月8日から9月15日まで全国の18歳以上3000人に郵送で実施し、有効回収率は61.0%だった。新型コロナ禍前までは対面調査だったため、内閣府は過去のデータと単純比較はできないとしている。