13日午後9時19分ごろ、日向灘を震源とする地震があり、宮崎市と宮崎県高鍋町、新富町で震度5弱の揺れを観測した。震源の深さは36キロ、地震の規模は気象庁が速報性を重視して通常発表している気象庁マグニチュード(Mj)で6.6、より正確なモーメントマグニチュード(Mw)で6.7と推定された。
同庁は高知、宮崎両県に津波注意報を一時発表し、宮崎市・宮崎港と宮崎県日南市・油津で20センチ、高知県室戸市・室戸岬などで10センチの津波を観測した。
一方、震源が南海トラフ地震の想定震源域内だったため、「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」を発表。専門家で構成する評価検討会(会長・平田直東京大名誉教授)を開いて地震の規模を精査したが、巨大地震への注意を呼び掛ける基準(Mw7.0)に達せず、調査を終了した。
気象庁の青木重樹地震津波対策企画官は記者会見し、「揺れの強かった地域では今後1週間、同程度の地震に注意してほしい」と呼び掛けた。
昨年8月8日に日向灘でMj7.1(Mw7.0、最大震度6弱)の地震が起きた際は、巨大地震の発生可能性が高まったとして、茨城から沖縄までの29都府県707市町村を対象に「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が初めて発表された。1週間にわたり注意が呼び掛けられたが、大地震は発生せず終了した。
今回の地震も昨年8月と同様に海と陸のプレート同士の境界で発生。震源の位置はやや陸寄りだが、規模が小さかった。
主な各地の震度は次の通り。
震度5弱=宮崎県高鍋町、新富町、宮崎市
震度4=宮崎県延岡市、福岡県久留米市、佐賀県神埼市、熊本市、大分市、鹿児島市
震度3=宮崎県日向市、福岡県大牟田市、佐賀市、熊本県天草市、大分県別府市、鹿児島県阿久根市、兵庫県豊岡市、鳥取県境港市、島根県出雲市、広島市、山口市、松山市、高知県宿毛市、長崎県諫早市。