レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、マックス・フェルスタッペンに一貫して競争力のあるマシンを提供しなければ彼を失うリスクがあると、レッドブル・レーシングに厳しい警告を発した。フェルスタッペンはレッドブルと2028年までの契約を交わしているが、レッドブルが一貫して勝利を争えるマシンを提供できなければ、現チャンピオンはチームに残らないだろうとマルコは主張している。
2024年シーズンのレッドブルは、フェルスタッペンが早い段階でドライバーズ選手権のリードを築いた。しかしシーズン中盤の苦戦により、レッドブルはさまざまなコースでマクラーレン、フェラーリ、メルセデスに負けた。フェルスタッペンは2レースを残すところで4年連続となるドライバーズタイトルを獲得したが、レッドブルはコンストラクターズタイトルをマクラーレンに奪われてしまった。
2025年に態勢を立て直し、フェルスタッペンに競争力のあるパッケージを提供するというプレッシャーが、今やチームに重くのしかかっていることをマルコは認めた。
■警告のための発言
マルコは、レッドブルに明確な最後通告を突きつけた。2025年型マシンがF1のフィールドのトップで競争力を維持できなければ、フェルスタッペンはチームを去ることになるというのだ。
「我々は、彼が独力で勝てるマシンを提供しなければならない」と、マルコは『F1-Insider』に語った。
「他のマシンよりコンマ1秒から2秒遅いかもしれないが、昨年のマシンとは違って、シーズンを通してどのコースでも競争力を発揮しなければならない」
「もし成功しなければ、マックスは我々と一緒にいる理由がない。その点については現実的にならなければいけない」
マルコのコメントは、レッドブルの2025年シーズンが低迷した場合にチームが置かれる可能性のある不安定な立場を強調している。完璧とは言えないマシンで圧倒的な強さを発揮するフェルスタッペンの能力は、レッドブルの最近の成功において極めて重要だったが、2025年型マシンが一貫してレースで勝利を争えなければ、彼の並外れた才能でさえそれを補うのに十分ではないかもしれない。
マルコの発言は、マックスの父親であるヨス・フェルスタッペンの最近の発言と一致している。ヨスは、現世界チャンピオンがレッドブルへ長期的にコミットするかどうかは、チームの競争力にかかっていると示唆した。
「彼がレッドブルに残ることに意味があると思えば、そこに留まることもできる。彼の目標は依然としてレースに勝つことだ」とヨス・フェルスタッペンは語った。
「彼がレッドブルではもう無理だと感じていたら、移籍もあり得ない話ではない」
レッドブルは現状に満足することはできないという、マルコのメッセージは明確だ。彼らは、フェルスタッペンに成功するためのツールを常に提供しなければ、ライバルチームにスタードライバーを奪われるリスクを負うことになる。2025年のシーズンが間近に迫るなか、レッドブルにはふたたび優位に立つことができるマシンを提供しなければならないというプレッシャーがかかっている。