小椋藍、ルーキー最速。新パーツ導入のヤマハ、クアルタラロとミラーが1-2/MotoGPシェイクダウンテスト

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2025年02月03日 21:30  AUTOSPORT web

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小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)/2025MotoGPセパンシェイクダウンテスト
 1月31日〜2月2日、ロードレース世界選手権 MotoGPクラスの2025年シーズンに向けたセパンシェイクダウンテストがマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われた。3日間のうち最速は1分57秒794をマークしたファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)だった。

 開幕まで1カ月を切り、いよいよMotoGPクラスはテストがスタート。2月5〜7日に同地で開催されるセパン公式テストに向けて、まずは3日間のシェイクダウンテストが実施された。この3日間ではルーキーを中心に、コンセッション(優遇措置)が適応されるヤマハのレギュラーライダー、そしてテストライダーが出走し、現地時間10時から18時と長丁場のテストとなった。

 初日は気温が32度まで上昇し、絶好のドライコンディションかと思いきや14時には雨に見舞われ少々ウエットコンディションに。この日は6人のテストライダーと2人のルーキーライダーが新しいマシンのシェイクダウンやアップデートされたプロトタイプマシンの検証を開始させた。また、ほとんどのライダーが2台のマシンを乗り比べながらテストをしていたようだ。

 リザルト上ではKTMのテストライダーを務めるポル・エスパルガロがトップタイムを記録。2番手には、1分59秒862をマークしたルーキーの小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)、3番手には今季からホンダの開発ライダーを務める中上貴晶(ホンダHRCテスト・チーム)と日本勢が上位につけた。

 初日から参加したルーキーのフェルミン・アルデグエル(グレシーニ・レーシングMotoGP)は、総合6番手タイムでトップ10入り。他にもダニ・ペドロサ(KTM)、ミケーレ・ピロ(ドゥカティ・レノボ・チーム)、ロレンツォ・サバドーリ(アプリリア)が走行していた。サバドーリは、シェイクダウンおよび燃料消費のパラメータを計算するテストにも着手していたとのことだ。

 また、タイミングモニター上ではヤマハ・ファクトリー・レーシングも走行していたことになっている。テストライダーと表示されているが、アンドレア・ドヴィツィオーゾが走行し、準備された3台のバイクを比較していた様子。2025年からヤマハのテストライダーを務めるアウグスト・フェルナンデェスも現地にはいたようだが、この日は視察のみだったようだ。

 続く2日目は前夜の雨の影響を受けたため、コンディション回復を待ち11時過ぎから走行を開始。前日1月31日にマレーシア・クアラルンプール市内でチーム体制発表会を開催していたため不在となっていたモンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームと、プリマ・プラマック・ヤマハの4名がこの日からテストに参加した。また、ルーキーのソムキャット・チャントラ(イデミツ・ホンダLCR)も2日目からの参加となった。

 2024年に引き続きコンセッション(優遇措置)が適応されるヤマハ勢は、テストライダーとレギュラーライダー総出でテストを遂行。アレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)が1分58秒745でトップ、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)が3番手でふたり揃ってトップ3につけた。

 ジャック・ミラーとミゲール・オリベイラ(プリマ・プラマック・ヤマハ)は、ヤマハYZR-M1への適応に時間を割いていたようだ。また、この日はアウグスト・フェルナンデスも走行を開始していた。

 同じくコンセッション(優遇措置)適応のホンダ勢は、中上に加えて2日目からは今季からテストライダーに就任したアレイシ・エスパルガロが合流。同日にカラーリングを発表したホンダHRCのジョアン・ミルとルカ・マリーニの姿はなく、ホンダHRCテスト・チームとして4台のホンダRC213Vを走らせていた。

 総合2番手には初日トップのポル・エスパルガロが続き、ペドロサとともに順調にテストを進め、この日からKTM勢はリヤの新アイテムを導入していたようだ。また、アプリリアのサバドーリはホルヘ・マルティンとマルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング)のために準備した6台(2台は前回のテストで使用したもの、4台は進化型)を乗り比べ、マイナートラブルの有無など確認していたとのこと。

 ルーキーとしては小椋が48ラップを周回して4番手、アルデグエルは35ラップを周回して総合5番手に続いた。走り始めとなったチャントラは、57ラップを周回して総合23番手となった。

 最終日は終日ドライコンディションに恵まれ、開始時間10時から多くのライダーが走り始めた。この日はクアルタラロが最後のランで1分57秒台を2回連続で記録し、トップで終了。リンスも2日目からタイムを縮め好調な様子だった。また、ふたりは新しいシャーシとスイングアームを2日間でテストし、3日目にはエアロをアップデートしていたとのことだ。

 2番手にはミラーがつけ、オリベイラは8番手、アウグスト・フェルナンデスは12番手だった。ミラーに関しては、最終ラップタイムの1分58秒103は、2024年第19戦マレーシアGPでKTM・RC16で予選を走ったときのタイムからわずか0.5秒遅れであり、いい走り始めとなったようだ。

 3番手にはホンダのテストライダーであるアレイシ・エスパルガロがつけた。ホンダとしてはこの日、中上がサポートに徹してチャントラとふたりのみ走行していたようだ。チャントラは2日目からタイムを更新して2分00秒550で22番手だった。

 3日間通して好調な小椋は、1分58秒208の4番手でテストを終了。ルーキーとしては3名のなかで最速となった。アプリリアのテストライダーであるサバドーリが2025年仕様のアプリリアRS-GPの異なるスペックをテストしていたが、ルーキーの小椋もいくつかの新しいパーツを試していたようだ。

 同じくルーキーのアルデグエルは1分58秒421の6番手で終え、3日間ともトップ10入りを果たした。同じくドゥカティからテストに参加したピロは、フランセスコ・バニャイアとマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)のためにドゥカティ・デスモセディチGP25のシェイクダウンし続けていた。3日目の後半には、新しいエアロと、バルセロナテストの走行で見られたシャーシが用いられていたようだ。

 ルーキーライダーを始め、多くのライダーが参戦したセパンシェイクダウンテスト。2日間の休暇を挟み、2月5〜7日には同地にレギュラーライダーが一同集結し、セパン公式テストが開催される。そこでは、今回シェイクダウンされた新マシンや新パーツを各ライダーが吟味することになる大事なテストだ。2025年シーズンの勢力図もそろそろ見え始める頃だが、どのようなテストになるのか注視していきたい。

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