屋根裏に100万円の現金!? 引っ越し先で子どもが見つけた“謎の大金”…「自分たちのものにしてしまおうか」どうするべき?【弁護士が解説】

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2025年02月04日 08:00  まいどなニュース

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屋根裏で子どもが見つけた100万円…どうすればいいの? ※画像はイメージです(Chris White/stock.adobe.com)

転勤に伴い家族と共に引越してきたAさんは、念願の庭付き一軒家を借りて希望に胸を膨らませていました。子育てをしながら庭で野菜を育てるのが夫婦の長年の夢だったので、理想が叶い妻と共に喜びをかみしめています。

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荷解きが一段落するとAさんは妻と庭を眺めながら、あそこにジャガイモを植えてみようか、ねぎを育てるのもいいかもしれないと言って想像を膨らませていました。子どもたちは自分たちに与えられた部屋の片付けに勤しんでいます。彼らも念願の自分の部屋が手に入りご満悦です。

片付けの途中、ふと長男が天井を見上げると、そこに屋根裏への入り口を発見します。好奇心に駆られた子どもたちは、Aさんに報告せずに屋根裏を探検することにしました。はしごを使って屋根裏に上がった子どもたちは、そこに置かれた古びた段ボール箱を見つけます。箱を開けると、中から出てきたのは現金100万円だったのです。

興奮した子どもたちは、すぐにAさんに報告しました。家族全員が集まり、この予期せぬ「お宝」をどうするべきか話し合いました。「このまま自分たちのものにしてしまおうか」という誘惑がAさんの心をよぎります。

しかしAさんは現金には何か事件性があるかもしれないと考え、正直に対応するべきと決心しました。ただ実際にどう対応していいかわかりません。Aさんのケースではどのように行動すればいいのでしょうか。まこと法律事務所の北村真一さんに伺いました。

ー引越し先で現金を見つけたらどうしたらいいですか

Aさんのように引越し先で現金を見つけた場合は、最寄りの交番か警察署に届けましょう。落とし物を拾った時と同様に「遺失物法」に則って処理をします。現金が天井裏で見つかろうが、床下で見つかろうが警察に届けるのが無難です。

もし、その現金が犯罪に関わるものだった場合、知らずに保管していたとしても捜査の対象となる可能性があります。事件の犯人から「なぜそのお金を持っているのか」と疑われたり、脅迫を受ける危険性も考えられます。事件性を疑うお金は絶対に手元に置かないようにしましょう。

警察に届け出ることによって、そのお金の出所が明確になるまでの間、警察が一時的に保管することになります。これにより、あなたが不当に疑われたりトラブルに巻き込まれたりする可能性を大幅に減らすことができます。

また、警察に届けて3か月が経過しても持ち主がわからなければ、現金は届け出た人の物になります。

ー届け出をしなければ罰せられるのでしょうか

届け出をしなければ「遺失物横領罪」の疑いをかけられるでしょう。刑法第254条に規定されており、法定刑は「1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料」です。以前の住民が気が付いて通報する可能性もあります。あらぬ疑いがかけられぬよう、速やかに届け出ましょう。

◆北村真一(きたむら・しんいち)弁護士 「きたべん」の愛称で大阪府茨木市で知らない人がいないといわれる大人気ローカル弁護士。猫探しからM&Aまで幅広く取り扱う。

(まいどなニュース特約・長澤 芳子)

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  • タンス預金を隠したまま亡くなる老人が多い。遺品整理業者に捨てられて、そのまま燃やされるかゴミ処理場で発見される。遺族のことも考えてやれよ。
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