石破茂首相は4日の衆院予算委員会で、医療費が高額になった場合に患者負担を抑える「高額療養費制度」を巡り、負担上限額を引き上げる政府方針を再考する意向を示した。「いろいろな選択肢がある。高額療養費(制度による負担軽減)を必要とする方々がおり、制度の持続可能性と両方満たす解を見いだす」と述べた。
負担上限引き上げには、がん患者らから不安の声が出ている。首相は「当事者の理解を得ることは必要だ」と強調。4日に自民、公明両党幹事長らが政府方針の一部見直し検討で一致したことに関し、「与党として使命感、責任感を持ち対応する」と語った。
立憲民主党の中島克仁氏と共産党の田村貴昭氏が引き上げ「凍結」を求めたのに対して答えた。「凍結とか白紙に戻すことだけが解決策だと今の時点で認識しているわけではない」とも説明した。
首相はまた、日本維新の会などが主張する所得制限なしの高校授業料無償化に慎重な姿勢を示した。「経済的に余裕がある家庭に負担はなくていいだろうか。恵まれない方々と公平を保つ必要があるのではないか」と述べた。立民の山岸一生氏への答弁。
同時に「理念の問題だ」と指摘。「(所得制限撤廃論の背景にある)社会全体で子どもの教育を支えるという考え方を間違っていると全否定するつもりはない」として一定の理解も示した。