国土交通省によりますと、雪の多い地域では、屋根の雪下ろしなどの除雪作業中の事故が多発し、年間100人以上が亡くなるなど深刻な被害になっているということです。
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今年1月、北海道滝川市では雪下ろしを手伝っていた77歳の女性が、屋根から落ちてきた雪に埋まり死亡しました。また、青森県では除雪作業中とみられる雪害事故の死者が9人にのぼるなど、この冬も各地で事故が相次いでいます。
今シーズン最強・最長の寒波による大雪への警戒が必要な今、国土交通省が呼びかける「雪下ろし安全10箇条」を確認しましょう。
「雪下ろし安全10箇条」に注意 安全な雪下ろしを(1)安全な装備で行う ※最重要
・安全な装備は、屋根からの転落などの事故を未然に防ぐ
・安全帯は腰全体を支えるハーネス型や体全体を支えるフルハーネス型を使用
・命綱は、ザイルロープなど丈夫なものを屋根の上で止まる長さで正しく結ぶ
・命綱の一端は、アンカーにしっかり固定
→アンカーがない場合は雪下ろしをする屋根の反対側の柱や固定物に固定
・ヘルメットはあごひもを締め、長靴は滑りにくいものを使用
・動きやすい服装で作業
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(2)はしごは固定する
・はしごが転倒することがあるため、必ずしっかり固定
・足元を固め、ロープや器具を使用
・はしごは屋根に対して決められた角度でまっすぐ立てる
・はしごの長さは軒先から少し高くかける
・はしごの昇り降りは注意
・はしごから屋根に移動するときは特に注意
・はしごの上で雪庇を落とすなどの作業は危険なので絶対NG
(3)作業は2人以上で行う
・1人での作業は、事故が発生した際に発見が遅れる可能性がある
・発見が遅れると重大な事故につながる危険性が高まる
・家族や親戚などと一緒に複数人で作業
(4)足場の確認を行う
・屋根の雪止めの位置を確認してから作業
・落雪に巻き込まれないよう屋根の上から下す
・滑りにくくするよう雪は少し残して作業
・晴れて気温が高い日は滑りやすくなるため、特に注意
・水路などに転落する事故にも注意
(5)雪下ろしのときは周りに雪を残す
・屋根から転落した際に、地面、アスファルト、コンクリートなどに強打すると、被害が大きくなる可能性がある
・落下した場所に積雪があることで被害を軽減することができる場合も
・屋根の雪下ろしを行う場合は、雪下ろし後に住宅周りの除雪を行う
(6)屋根から雪が落ちてこないか注意する
・屋根から雪が落ちてくる可能性があるため、住宅の周りで除雪する際に軒下では注意
・屋根に雪が積もって時間が経つと、氷のようにかたくなり、直撃すると非常に危険
・新雪や、晴れて暖かい日のゆるくなった雪は特に注意
・屋根の雪を人力によらず落下させる落雪式住宅の場合は特に注意
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(7)除雪道具や安全対策用具の手入れ・点検を行う
・スコップやスノーダンプなどの除雪道具は、雪がつきにくくなるスプレーを使用するなど、使いやすくしておく
・除雪道具や安全対策用具が古くなり、壊れていないか定期的に点検を
(8)除雪機の雪詰まりはエンジンを切ってから棒などで取り除く
・雪が詰まったときは、必ずエンジンを切ってから雪を取り除く
・詰まりを取り除くときは、棒などを使用する
・素手で取り除くのは非常に危険なため、絶対にNG
・安全装置をひもで縛るなど、無効化しないよう注意
(9)携帯電話を身につける
・事故が発生したときは、動くことができなくなることがある
・携帯電話を身につけることで、緊急時でも連絡をとることができる
(10)無理はしない
・除雪作業は重労働
・体調が悪いときは除雪作業をしない
・作業前には準備運動を
・こまめに休息をとりながら作業
・寒い屋外での重労働による発作など発症の危険がある
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