高額療養費、少子化財源でない＝石破首相、８月引き上げ実施―衆院予算委

　衆院予算委員会は３日、石破茂首相と関係閣僚が出席し、内外の諸課題をテーマに集中審議を行った。首相は高額療養費制度の患者負担上限の引き上げに関し、少子化対策の「こども未来戦略」に要する３兆６０００億円の財源確保が目的だとする立憲民主党の主張を否定。今年８月の引き上げは予定通り実施すると重ねて強調した。

　首相は「こども未来戦略のためにこのようなやり方を考えたものでは全くない」と述べた。立民の後藤祐一氏は２０２５年度の引き上げ凍結を求めたが、首相は「より（対象を）広く、より少ない負担で療養を受けていただくためにどうすればいいか考え、今回の結論に至った」として応じなかった。

　後藤氏はガソリン税の暫定税率を２５年度に廃止するよう要求。首相は「代替財源を何に求めるか、地方の減収分をどう手当てするか、結論が出ないままにいつ廃止すると申し上げることはできない」と取り合わなかった。

　高校授業料の無償化を巡り、首相は「国民全体の負担で賄うべきだ」との認識を示した。自民党の山田賢司氏への答弁。

　首相は人口減少対策について、婚姻率の低下が少子化の主な要因であると指摘し、「いかにして出会いの機会をつくるか、行政として努めていかねばならない」と語った。正規雇用の促進や賃上げが婚姻率の向上に寄与するとの見解も示した。自民の田所嘉徳氏への答弁。