
Q. 初期症状がないがんがあると聞きました。早期発見する方法はありますか?
Q. 「特に何の自覚症状もないのですが、『初期症状がないがん』があると聞いて、不安になっています。症状がなくても、何か自分で気づくポイントなどはないのでしょうか? どのような点に注意すればいいですか?」A. がんの早期発見の鍵は、「定期健診」を受けることです
初期症状が現れにくいがんの代表例に、すい臓がんがあります。すい臓がんは、初期では特徴的な症状がほとんど現れません。また、体の中心部に位置し、周囲を胃や腸、肝臓などに囲まれていることも、早期発見が難しいとされる一因です。すい臓がんの患者さんに、初期に感じた不調をたずねると、「胃のあたりの違和感」や「背中あたりの重たい感じ」、また、「食欲不振」「便通の不安定さ」などが挙げられます。
これらの症状は、いずれも日常的によく見られる体調不良と似ているため、見過ごされがちです。ちょっとした不調でも、症状がいつもよりも長引いているときや、悪化していると感じるときは、自己判断せず、病院を受診するのがいいでしょう。
そして、どのがんの場合も、早期発見のためには、年に1回の定期健診を受けることが重要です。初期症状に気を配ると同時に、健康診断での異常を見逃さないことが、早期発見・早期治療による、治癒率の向上につながります。
狭間 研至プロフィール
大阪大学医学部卒。日本外科学会 認定登録医。大阪大学医学部付属病院、大阪府立病院などで外科・呼吸器外科診療に従事した後、現在は地域医療の現場で医師として診療を行う。ファルメディコ株式会社 代表取締役社長。医療法人嘉健会思温病院理事長。外科医、地域医療、薬局運営の豊富な経験から、医療と患者さんの橋渡しとなる分かりやすい医学情報発信を行っている。
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