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米国のトランプ政権の関税政策を巡って反米感情が高まるカナダで、トランプ支持派として知られる北米プロアイスホッケーリーグNHLで活躍した同国の英雄ウェイン・グレツキー氏(64)の銅像に糞便が投げつけられる事件が起きたと、米ニューヨーク・ポスト紙が報じた。
同氏が1978年から88年まで所属していたエドモンド・オイラーズの本拠地ロジャーズ・プレイスの屋外に設置されているグレツキー氏の銅像に、何者かが便を投げつけて塗りつけたあと、逃走したという。銅像の顔が糞にまみれて周囲に異臭が立ち込める中、21日の朝に作業員が清掃作業に追われていたと伝えている。
動機が政治的なものかどうかは不明だが、グレツキー氏がトランプ大統領を支持していることが批判される中で起きたことから、抗議の一環である可能性が指摘されている。
トランプ氏は就任後にカナダに高率の関税を課すと発表し、「カナダは51番目の州になるべき」と発言して国民から大反発を買った。トランプ氏の関税発言を受け、首都オタワで行われたNHLの試合で米国の国歌演奏中にファンから大ブ−イングが巻き起こったことなども伝えられている。
グレツキー氏は、2020年の米大統領選で初めてトランプ氏を支持し、就任式に「アメリカを再び偉大に」と描かれた真っ赤な帽子を被って出席していた。トランプ大統領は、2期目の政権発足後の演説でカナダを51番目の州にした場合、「偉大な人」を知事に任命すると述べ、グレツキー氏を推薦する意向を明かしている。
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スタンレー・カップを4度制し、歴代最多の894ゴールを挙げるなど史上最も優れたホッケー選手と称され、「ザ・グレート・ワン」と呼ばれるグレツキー氏は、カナダの国民的ヒーローとして知られる。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)
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