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『報道特集』(TBS系)は3月22日、斎藤元彦兵庫県知事の「パワハラ疑惑」をめぐる第三者委員会の調査報告書が公表されたことを受け、これまでの一連の騒動の総括といえる内容を放送した。今回の特集の一部はTVerなどでも視聴ができる。
外部の弁護士で構成される第三者委員会は、3月19日に報告書を提出。報告書では、齋藤知事が出張先で激しく職員を叱責したことや、夜間・休日にチャットで叱責や業務指示を行ったなど、10の行為を”パワハラに当たる”と認定。パワハラ等を告発して亡くなった元県民局長を「嘘八百」「公務員失格」と非難したこともパワハラに該当すると認定した。
さらに、元県民局長の告発文書は通報者の保護が求められる公益通報の要件を満たしていると判断。斎藤知事が指示したとされる”告発者探し”についても、「違法な行為」と断じた。
第三者委員会の報告書に対し、斎藤知事は19日午後の会見で「内容を精査させていただきたいと思う」とコメント。元県民局長の告発が公益通報にあたるのかどうかについては、「(告発文書は)誹謗中傷性の高い文書だったと考えている」と自説を曲げなかった。
22日の報道特集では、今年1月に亡くなった竹内英明元県議の妻の様子を伝えたうえで、悲劇を生んだきっかけとして、NHKから国民を守る党の立花孝志氏が元県民局長の告発文書の作成に竹内氏が関与していると名指しで批判を行ったことを指摘した。
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番組終盤、山本恵里伽アナが番組宛に竹内氏の妻から寄せられたメールを読み上げた。《社会に絶望し、命を絶った主人ですが、残された私どもがただ一筋、希望の光を感じることができるとするならば、使命感をもってその職務を全うしようとする皆様の思いです。その思いはいつの日か必ずや混乱の世の中を鎮め、希望ある社会を導いてくれることと信じています》などのメッセージを伝えると、山本アナは「改めて、言論を暴力によって封じようとする行為は絶対に許されません。そして誹謗中傷、言葉の暴力によって人を傷つけることもやめていただきたいとお願いします」と呼びかけた。
そして、最後には村瀬健介キャスターが次のようなメッセージを投げかけた。
「奥様はこのカメラ取材を大変な勇気をもって受けてくださいました。誹謗中傷への恐怖があるからです。竹内さんが亡くなられてからまだ2カ月しか経っていません。奥様は誹謗中傷が止まない中で、子どもたちに父親のことをどう伝えていったらいいのか、今も悩んでおられました。
せめてご遺族が静かに家族の死を悼む時間を尊重してあげてほしいと思います。また、今週はこの問題で第三者委員会が”県の対応は違法である”と明確に認定しましたが、私はこの1年間に兵庫県で起きたことは本当に恐ろしいことだと思っています。
県は法律上公益通報者を保護する義務がありますが、その通報者が亡くなる事態になった上に、亡くなった後も県が管理する私的情報が漏洩して、ネット上で暴露されるという事態にまで至りました。
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これらは、例え斎藤知事1人が何らかの責任を取ったとしても、文字通り取り返しのつかないことです。ですから、県関係者の皆様には兵庫県が2度とこのような深刻な事態を繰り返さないように、どうすべきだったのか真剣に考えていただきたいと思います」
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