イオンの「かるすぽ はなまるランドセル24 MYカラー」の組み合わせ例(同社提供) 来年春入学用のランドセル商戦が総合スーパーや百貨店などで始まった。自分好みのランドセルを選びたいとの声を受け、各社はカスタマイズできる商品の幅を広げている。
イオンの「かるすぽ はなまるランドセル24 MYカラー」(4万4000円)は本体やパーツの色、デザインを自在に選べる。同社は「人とは違う自分だけのものを持ちたいという需要に応えた」とし、組み合わせを昨年比1.8倍の約497万通りに拡充した。
「セミオーダーランドセル」(7万1500円)を投入したのは高島屋。本体12色、内装11色の中から組み合わせることができる。ジェンダーレス化にも対応し、シンプルなデザインに仕上げた。そごう・西武(東京)は、カタログに掲載した写真で「男の子は黒、女の子は赤」といった色の固定観念に縛られないよう、モデル着用写真から商品だけの写真に変更している。
「フィットちゃん」シリーズを手掛けるハシモト(富山市)によると、近年は女児だけでなく、男児のカラーバリエーション需要も増加。合計で117色以上を用意した。かわいらしい淡い色が主流の紫については、性別問わず選びやすい濃い紫を追加した。
日本鞄協会ランドセル工業会の調査では、2024年春に入学した児童のランドセルの色は、女児では紫・薄紫が最多で約3割を占めた。桃、水色と続き、赤は約1割。男児は黒が約5割に上ったが、20年の約7割から大きく減少した。同工業会は「男女問わず特定色に集中せず、好きな色に分散する傾向が続いている」と分析する。

高島屋が販売する「セミオーダーランドセル」=21日、東京都中央区

性別問わず選びやすいハシモトの「バイオレット」のランドセル(同社提供)