※写真はイメージです過去5万本の記事より大反響だった話をピックアップ!(初公開2024年5月24日 記事は取材時の状況) * * *
ニュースなどで頻繁に取り上げられる「あおり運転」。被害者の精神的苦痛は深刻であり、トラウマにもなりかねない。
自動車損害保険を扱うチューリッヒ保険は、『2023年あおり運転実態調査』を実施。あおり運転をされたことがあるドライバーは53.5%であった。約半数のドライバーが被害経験を持っており、現在も社会問題となっている。
今回は、ドライブ中にあおり運転に遭遇した人のエピソードを紹介する。
◆真夜中のデート中にあおり運転に遭遇
昔から運転が好きで、仕事が休みの日には何百キロも離れたラーメン屋に行ったり、顔ハメパネルを探しに出かけたりしているという阿部優実さん(仮名・40代)。旦那と湖畔にドライブへ出かけていたときのことを話してくれた。
「主人がなかなか寝つけないと言っていたので、『真夜中のドライブでも行く?』と誘いました。夜中2時のドライブで、真冬の真夜中のデートがとても新鮮でした」
阿部さんは、車を法定速度ピッタリで走らせていた。湖畔に向かう道はずっと一車線で、真夜中でも時折後続車が来ていた。その都度、車を左に避けて先に行ってもらっていたそうだ。ムダなトラブルに巻き込まれることはイヤなので、急いでいる車には迷わず道を譲るという。
旦那と「シカがいた!」とはしゃぎながら、楽しくドライブをしていたのだが……。
「ハイビームの車が後方から近づいてくるのが分かりました。ハイビームの戻し忘れかな?と思いましたが、そうではない様子で……。バックミラーに映り込み、ものすごく眩しかったんです。後ろにピッタリつかれたので、私はいつものように道路の左側に車を寄せて速度を落としました」
しかし、後方の車は阿部さんの車を追い越すのではなく、ハイビームのままついてきたそうだ。ドライブレコーダーも装着しており、ステッカーもでかでかと貼ってあるにもかかわらず、衝突するかもと思わせるほどの車間距離で走行していたとのこと。
「しばらく1本道だったので、仕方なく左に避けるのをやめて通常速度に戻しました。せっかくの楽しいドライブデートが一瞬にしてイヤな気分にさせられました。あまりの眩しさに、バックミラーを上に向け、サイドミラーも角度調整し、後方車はいないものと思い込むことにしたんです」
◆ハイビームを浴びせ続けた車に待ち受けていた顛末
なるべく安全運転を心がけ、5分ほど先にあるわき道を目指していた阿部さん。
「たった5分がものすごく長く感じました。わき道にも入ってきたどうしようという不安もありましたが、私がわき道にそれた途端、その車はものすごいスピードで湖畔の方へと走り去りました」
後方車を確認し、Uターンをしてルートを変更した阿部さん。楽しいドライブを再開し、しばらく車を走らせると、予想外の光景を目の当たりにする。
「あおり運転をしてきた車が、ハザードランプを点滅させて停車していました。警察のスピード違反に引っかかっていたんです」
「事故を起こす前に捕まってよかったですねー」と、阿部さんは旦那さんと笑いながら真横を通り過ぎたとか。
<取材・文/chimi86>
【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。