参院予算委員会で答弁する石破茂首相=28日午後、国会内 石破茂首相は28日の参院予算委員会で、トランプ米大統領が全ての輸入車に25%の追加関税を課すと発表したことに関し「日本車を(米国市場に)入れるのが難しくなるだろう」との認識を示した。その上で、日本車の適用除外に向け「交渉に最善を尽くしたい」と強調した。
首相はガソリン税の暫定税率廃止について「なるべく早く結論を出してしかるべきだ」と早期実現に意欲を表明。「暫定税率がなくなることにより、ガソリンが消費者に歓迎できる価格になり、結果的に手取り増につながることが望ましい」と語った。国民民主党の礒崎哲史氏への答弁。
日本維新の会の柳ケ瀬裕文氏は、中国で相次ぐ邦人拘束を「中国による拉致問題だ」と批判。首相は「日本人を不当に拘束し、日本人の児童が殺傷されることを絶対に認めない。国家主権の問題だという認識の下、中国と引き続き強力に交渉し、解決を図りたい」と述べた。
首相は秋までに決める高額療養費制度見直しの新たな方針に関し「全ての方に納得いただくことは難しいかもしれないが、それを目指して努力する。納得いただかず(見直しを)やることはない」と理解を求めた。立憲民主党の杉尾秀哉氏への答弁。
杉尾氏は夏の参院選までに経済対策を策定する考えはあるのかと質問。首相は「全く考えていない。2025年度予算を成立させ、執行することに尽きる」と述べた。首相は「強力な物価高対策を打ち出そう」と公明党に伝えたが、新たな予算措置を意味する発言ではないと軌道修正している。