※画像はイメージです 関連する書籍やドラマが続々と製作されるなど、空前のブームとなっている銭湯・サウナ。最新施設だけでなく昔ながらの銭湯にも“サウナー”たちが日々集っているが、その裏では男性同士による性的暴行が多発していた!
◆男性同士の不同意性交も5年以上の懲役刑に
3月28日、歌手の中孝介容疑者が品川区にある銭湯内で、面識のない男性に対し性的暴行を加えたとして、不同意性交の疑いで現行犯逮捕された。報道によれば中容疑者は午前2時ごろ、施設内の椅子で寝ていた20代男性にわいせつな行為をしたという。
サウナなどでのハッテン行為はどのような罪に問われるか。性犯罪に詳しい弁護士の奥村徹氏は、「男性同士でも、サウナや銭湯での性的接触行為は合意の有無にかかわらず完全に違法」と断言する。
「性器かどうかにかかわらず、体を執拗に触ると『不同意わいせつ罪』、陰茎をくわえたりアナルセックスなどより直接的な行為はさらに罪が重い『不同意性交等罪』が適用されます。法定刑は不同意わいせつ罪は6カ月以上の懲役、不同意性交等罪は5年以上の懲役が科される。出来心でいたずらしたとしても、その後の人生が狂いかねません」
相手の同意を得ずに被害を及ぼすケースが犯罪になることに加え、「合意のもとで行為に及んでも罪に問われる」と、奥村氏は続ける。
◆「公然わいせつ罪」や「幇助罪」に該当するケースも
「双方の合意の有無にかかわらず、場所が銭湯やサウナなら『公然わいせつ罪』が成立します。仮にサウナ室や浴室に2人きりで誰にも目撃されなかったとしても、他人から見える可能性は認められるので“公然”と見なされます。接触がなくても、勃起した陰茎や手淫を見せつける行為も同じく公然わいせつ罪になります。法定刑は6カ月以下の懲役、もしくは30万円以下の罰金。バレなくてもれっきとした罪なのです」
さらに、施設側もハッテン行為を野放しにしていると罪に問われる可能性があるという。
「これらの行為を黙認していることが認められれば、幇助罪が適用されます。罪に問われないためには注意書きの張り紙や、定期的な施設内の巡回、行為に及んだ人物を通報したり、出入り禁止処置にするなど、施設内での性行為等を禁止する姿勢を取ることが求められます」
では万が一、サウナや銭湯で被害に遭ったらどうすればいいのか。
「すぐに店に伝え、110番通報を行うこと。不同意性交等罪は目撃者がいなくても、被害者の証言で立件できることがほとんど。目撃証言がなくても、状況をすぐに伝えることが重要です」
サウナや銭湯での性犯罪の実態が、より広まっていくことを願う。
【性犯罪に詳しい弁護士・奥村 徹氏】
大阪弁護士会所属。奥村&田中法律事務所。不同意性交や公然わいせつなどの性犯罪のほかに、ネット犯罪や児童性犯罪にも詳しい
取材・文/週刊SPA!編集部
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