必要なのは「バラマキ」と「減税」以外の経済対策? 止まらぬ物価高と問われる石破総理の決断【サンデーモーニング】

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2025年04月20日 14:44  TBS NEWS DIG

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今、国会では物価高の対策として現金給付や消費税減税が議論されていますが、果たしてそれだけで私たちの生活は良くなるのでしょうか。
専門家は1100兆円を超える巨額の国債を抱える日本が「バラマキ」を行ったとしたら、「経済破綻の引き金になる」と警鐘を鳴らしています。
必要とされている、「バラマキ」でも「減税」でもない経済対策とは。

【画像で見る】バラマキ?減税? 国民の声と専門家の指摘

物価高には“選挙目当てのバラマキ”?…議論停滞の経済対策

14週連続で値上がりが続くコメなど、歯止めのかからない物価高。“トランプ関税”も加わって、先行き不透明感が増す中、今話題にあがっているのが、新たな経済対策です。

自民党からは夏の参院選を控え、「“目玉”となる経済対策が必要」として出てきたのが、“国民一律3〜5万円の給付”案でしたが..

立憲民主党 後藤祐一 衆院議員
「夏の参院選を念頭に置いた、選挙目当てのバラマキだと思うが」

石破総理
「カギ括弧をつけますが『選挙目当てのバラマキ』というようなことを、政府として考えているものではございません」

しかし、街の声は...

「一回給付して終わりってバカにしている」
「現金給付いらない。お金の裏に選挙が見えるから」

世論調査でも、現金給付を「評価しない」人が57%。半数以上の人が、その実効性に疑問を感じていました。

林官房長官(4月16日)
「補正予算、経済対策について検討している事実はないが、適切な対応を取っていく」

結果として政府与党は17日、「補正予算案」の提出を見送り、現金給付を断念する方針を固めました。選挙の“目玉”を失った自民党の参院議員からは...

自民党 松山政司 参院幹事長(17日)
「パンチのある政策を堂々とやって欲しいという意見が(議員から)あった」

一方で与野党で根強いもう一つの経済対策が、「消費税の減税」案です。

“減税”論調にヒビ入る国会…効果覿面か?財政悪化か?

日本維新の会は、食品にかかる消費税率を“2年間ゼロ”にすることを主張。国民民主党は、消費税5%への引き下げを要求し、30歳未満の所得税を軽減する「若者減税法案」を国会に提出しました。

さらに立憲民主党からも、70人に及ぶ議員が、“食料品の消費税ゼロ”を提案。

立憲民主党「食料品の消費税ゼロ%を実現する会」 江田憲司 会長
「とにかく物価高に苦しむ国民生活を守りたい、その一心」

ところが、枝野元代表はこれを厳しく批判。

立憲・枝野幸男元代表
「減税ポピュリズムに走りたいなら、別の党を作ってください」

減税をめぐり、党内が一枚岩になれません。背景にあるのは、減税による財政悪化の懸念。自民党の幹部からも...

自民党・森山 裕幹事長
「国際的に日本の財政が信任を失ったら、大変なことになるということを、我々はしっかりと認識をして、政治を進めていかなければいけない」

税収で3割以上を占める消費税の減税は、国の予算に与える影響が甚大です。

現在、国の歳入のうち税収は約7割で、残りの多くは国債、国による借金でまかなわれています。国債残高は累積で1105兆円。消費税の減税は、さらにこの借金を増やす可能性があり、そのツケは次世代に重くのしかかります。

日本のGDPに対する債務残高の割合は、世界的にも突出して高く、最上位だった日本国債の格付けは、現在、5番目にまで下落。この状況について、専門家は...

慶応義塾大学大学院 小幡績 教授(政治経済学)
「1000兆円、国が借金しているってことは、政府に貸さなければ、企業や海外に投資してリターンを生み出していたはず。ところが、バラマキに使ったり、結局、経済成長につながらなかった。例えば『10兆円バラマキます』となると、(最大で)10兆円、国債発行を増やさなければならない。トランプ関税、地政学的リスク、世界的な経済危機が起きたときに、最後の10兆円が引き金になって、(財政的に)破綻することが起きうる」

その一方で、日ごとに上がる物価。収まる気配は見られません。

いま、本当に必要な経済対策とは?

依然、とどまることを知らない物価高。2024年度、全国の消費者物価は2.7%上昇しました。2%を超える上昇が3年続くのは、賃金も物価も上がったバブル期以来、32年ぶりです。この状態に、政府は...

村上誠一郎 総務大臣(18日)
「関係省庁が連携して、物価高対策に全力で取り組んでいるところ」

しかし現在、話に出ているのは“給付金”や“減税”止まり。では一体今、どんな経済対策が求められているのでしょうか。

小幡 教授
「経済を底上げするために、(バラマキで)お金を使う経済対策というのは必要ないはず。お金を使うのであれば、配偶者に対する社会保険上の扱いをどうするか。『非正規雇用』という、おかしな名前の雇用を全部なくして、新しい働き方、新しい社会に合わせた抜本的な改革の議論を仕掛けるとか。もっと大きな枠組みで、日本の新しい経済システムをどうするか。少数与党は国会を通すために議論しなければならないから、やり直すチャンス」

世界的にも突出して危うい、日本の台所事情。バラマキや減税にとらわれない経済対策が求められています。

このニュースに関するつぶやき

  • こういうとき「働いて稼ごう!」という本来一番有効な経済対策をやろうとしない。目の前の現実すべてをチャンスだと思って働け!という人物がいないのが今の日本。
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