東京電力福島第1原発2号機で採取したデブリの入った容器を運搬用の専用容器に収納する作業員=23日午前(同社提供) 東京電力は23日、福島第1原発2号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しで、2回目の作業を完了したと発表した。採取したデブリの放射線量を測定し、作業に問題ないことを確認した上で、同日午前10時15分に運搬用の専用容器に収納した。昨年11月に完了した1回目よりも原子炉格納容器の中心部に近い場所からデブリを採取できたという。
東電によると、デブリは黄色っぽい部分が見られ、大きさは7ミリ以下、重さは3グラム以下と推測される。2回目の取り出し作業では目立ったトラブルがなく、9日間で作業を完了した。
回収したデブリは、茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構の研究施設で詳しく分析する。回収位置の異なる1回目のデブリと比較することで、本格的な取り出しに向けた研究に役立てる。
2回目の作業は今月15日に着手。1回目と同様に「テレスコ式」と呼ばれる釣りざお状の回収装置を原子炉格納容器内に投入し、17日に装置先端にある爪のような器具でデブリをつかんでいた。

東京電力ホールディングス本社=東京都千代田区