iPS細胞で慢性腎臓病治療=マウスで効果、数年内の治験目指す―京大など

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2025年04月23日 14:01  時事通信社

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時事通信社

京都大iPS細胞研究所=京都市左京区
 ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作製した腎臓のもととなる細胞(腎前駆細胞)を慢性腎臓病のマウスに移植したところ、腎機能の低下が抑制されたと、京都大iPS細胞研究所などの研究グループが発表した。数年以内に臨床試験(治験)開始を目指す。論文は今月、国際学術誌電子版に掲載された。

 研究グループは、腎前駆細胞を従来の100倍以上作製できる培養方法を開発。薬剤で慢性腎臓病を再現したマウスに、ヒトのiPS細胞から作製した腎前駆細胞を移植したところ、腎機能の低下や腎臓の老化が抑制された。腎前駆細胞が血管の形成を促すたんぱく質などを分泌して腎障害を軽減することも分かったという。

 グループは、移植に適した腎前駆細胞を選び分けることができるたんぱく質も発見。2年後をめどに、腎移植後に慢性腎臓病を発症した患者を対象に治験を実施する方針で、その後、数年以内に移植を受けていない他の患者での治験を目指す。

 グループによると、慢性腎臓病は進行すると腎移植か人工透析が必要。国内には推計約2000万人の患者がおり、年間約4万人が人工透析を始めている。腎移植の実施はドナー不足のため、年2000例程度で、iPS細胞などを利用した再生医療の実現が期待されている。

 同研究所の長船健二教授は「重要な研究成果。将来的には、人工透析に移行する患者を減らしたい」と話している。 

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